2009年 05月 07日
たけしの本当は怖い家庭の医学 その1 (352)
誰もが感じる「疲れ目」には“ある意外な原因”が・・・
必要以上に、人を怖がらせるような番組構成が嫌いで普段は見ないのですが、今回は、眼科領域なので一応チェックしました。番組でカバ-テストと言っていたのは、実はカバーアンカバ-テストのことのようです。少し解説してみます。これは斜視検査の基本中の基本で、専門でない私でも知っております。
通常、まずカバ-テストと言って、両眼で指標を固視させておいて、片眼をカバ-します。この時点で、カバ-していない眼が動いた場合、外から内へ動けば外斜視、内から外へ動けば内斜視となります。その後、行うのがカバ-アンカバ-テストです。名前が理解されにくいので、カバーテストと呼んでいたのかもしれませんが・・
※カバーアンカバーテスト
これは、片眼を遮蔽し、両眼視を遮断します。すると、カバーされている眼が、外側にずれている場合、カバーを外すと外側から内側へ動きます。逆に内側にずれている場合、カバーを外すと内側から外側へ動きます。斜視がない場合、両眼が一つの物を見つめる事ができ、ずれていないのですが、遮蔽されて、両眼視が崩れると、外へずれる眼を外斜位、内へずれる眼を内斜位と呼びます。斜位の多くは外斜位でしょうか・・・。
VDT症候群に関しては、ここに記載しましたが、番組で紹介していたのは、斜位(隠れ斜視)があると、強い眼精疲労が生じるというものです。
物を見る時、特にパソコン作業のように、近くのものを見る場合、3つのステップが必要になります。
①眼を内側に寄せて(輻湊)
②ピントを合わせ(調節)
③頭の中でそれをひとつにする(融像)。
近くものを見るには、この3つのステップが必要です。斜位や間歇性外斜視があれば、最初のステップの輻湊に負担がかかりすぎ、眼精疲労の原因になると考えられています。これを筋性眼精疲労と呼びます。確かにそうかもしれませんが、斜位は非常に多いですが、これのみが原因で強い眼精疲労を引き起こすケースは稀なので、通常は、以下に記載したような非常に多岐にわたる原因の複合要因なのではないでしょうか。今回番組でスポットが当てられたは、この中の2つのみ(太字赤字)ですが・・・。ただ、明らかに、筋性眼精疲労であれば、プリズム眼鏡を処方すべきでしょうか・・。
眼精疲労の原因
1)眼に原因があるもの
①屈折異常( 遠視・乱視・不適正眼鏡)
②不同視・不等象視
③眼筋異常( 斜位・間歇性外斜視)
④調節異常
⑤輻湊・開散障害
⑥その他・・・・・・
2)全身疾患
3)精神要因
4)環境要因