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第376回大阪眼科集談会 その3 (465)

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10、診断に苦慮し た結核性ぶどう膜炎の1例
硝子体混濁を伴う網膜血管炎(羽毛状の白斑)、ツ反弱陽性。この時点で、師匠なら診断されていたような・・。元々ツ反はあまりあてにならないし・・・・。プレドニゾロン25mgから開始。いったん30mgに増加し、血管炎改善、 NPAには網膜光凝固。ステロイド漸減中、自己中断。3年後来院。左眼視力低下。硝子体混濁。ツ反強陽性、クォンティフェロン陽性で、原発不明?のまま抗結核剤投与しつつ、プレドニゾロン30mgから開始。軽快し視力(1.0)に。
※20年以上前、師匠は眼底所見だけで診断し、同様の治療をされていたのを覚えています。
※クォンティフェロンも補助診断。確定診断はどうしてできたのでしょう・・・
※クォンティフェロン http://www.kekkaku.gr.jp/ga/ga-35.html

11、非典型的な上皮型角膜炎の診断治療の検討
一応、集談会の一般講演ですが、教育講演のよう・・・勉強にはなりましたが。

①52歳男性。アトピー性皮膚炎、HCL装用。角膜潰瘍。
上皮擦過⇒グラム陽性連鎖球菌:肺炎球菌⇒ベストロンで治癒
②27歳女性。FRCL使用。角膜中央に大きな潰瘍(膿瘍)。
上皮擦過⇒グラム陰性桿菌:緑膿菌⇒AG・ニューキノロン・ベストロン併用で治癒。
③18 歳男性。FRCL使用。角膜中央に怪しげな病巣。ヘルペス?既に抗菌剤・ステロイド・ゾビラックス投与。
上皮擦過⇒アカントアメーバ⇒クロルヘキシジン点眼⇒3か月ほどで治癒。
④全層角膜移植後の小円形浸潤。抗菌剤、ステロイドに抵抗の2症例
上皮擦過⇒
1)MRSA:アルベカシン点眼 
2)カンジダ:ジフルカン点眼
⑤角膜中央の上皮下混濁の2症例
上皮擦過⇒
1)何も検出されない:薬物アレルギー
2)アカントアメーバ:クロルヘキシジン

※上皮型角膜炎で診断に迷ったら?
⇒上皮を擦過して、①検鏡、②培養、③PCR
⇒治療へ

12、眼内炎治療後に角膜潰瘍を来たした1 例 
79歳男性。白内障術後2日で眼内炎。硝子体手術して治癒。その後ブレスオー装用。 5-6カ月して角膜潰瘍。これって珍しい?眼表面の細菌が手術時眼内に入り?眼内炎、その後眼表面で角膜潰瘍を発症した?
※ブレスオーって、懐かしいです。かつて、昭和59年頃IOLが導入されはじめましたが、それまでは、ICCE、ECCEが主流。術後は、当然人工的無水晶体眼。分厚いプラスレンズ眼鏡と違い、連続装用可能なブレスオーは、その見え方の優越性からかなり普及していました。ただ、この連続装用のブレスオーはトラブルメーカーで、苦労した覚えがあります。ましてや眼内炎手術後という眼では、更に危険では・・。
by takeuchi-ganka | 2010-06-09 14:32 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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