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第3回眼科臨床クイックレビュー その4 (501)

城北公園
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Medical 1:日常診療の角結膜感染症で困る3大場面の解決策 出田眼科 佐々木香る
 なんでもニューキノロン(NQ)でいいのか?ステロイドが必要な場合、耐性菌、その他の病原体(真菌・アメーバ)、そして薬剤毒性(ヘルペスとの鑑別)・・。超クイックなレビュー・・

1)ステロイドが必要な場合
①感染アレルギー:頻回交換型SCL使用者に多い。ブ菌アレルギー。NQ点眼だけでは治りにくく、ステロイド点眼追加で軽快する。鑑別は、非典型緑膿菌感染。辺縁明瞭・類円形。浮腫軽度。充血中等度・・。要注意。
②カタル性角膜潰瘍:眼瞼の常在菌に対する3型アレルギー。眼瞼と接する部位(4,8,10,2時)の角膜に生じる。抗菌剤とステロイド。鑑別:肺炎球菌(上皮欠損大きい)、モーレン潰瘍(透明帯なし)、ヘルペス(ターミナルバルブあり)
③角膜フリクテン(マイボーム腺角膜上皮症):女子高生に多い?マイボーム腺の常在菌に対する遅延型過敏反応。抗菌剤だけだと、死菌に対するアレルギーで炎症↑。ステロイド必要。Pアクネスが原因。NQ低感受性ブ菌。CP点眼。ミノサイクリン・セフェム内服。眼瞼清拭。

2)耐性菌
①コリネバクテリウム:実は悪さするらしい・・・。日本人に多い。NQ効かない!ベストロン、エコリシンでOK
※周術期にNQ点眼すると、コリネが残る・・。
周術期抗菌点眼薬の使用期間が結膜嚢細菌叢へ及ぼす影響 あたらしい眼科(0910-1810)27巻7号 Page982-986(2010.07)
②淋菌:眼瞼腫脹・膿性眼脂・穿孔しやすい。NQ耐性。幅広い年令層に・・。
フルオロキノロン耐性株による淋菌性結膜炎の小児例 あたらしい眼科(0910-1810)27巻2号 Page235-238(2010.02)
③MRSA:バンコ点眼もいいが、生食通水・人工涙液頻回点眼・CP点眼。涙小管炎に注意。
※今なら、バンコの軟膏
※短期間でもNQ点眼すれば耐性菌↑⇒なるべく早く切るべきだが・・・

3)その他の病原菌:アメーバ
・樹枝状:弱々しい。ターミナルバルブなし。中心部不均一な浸潤。
・円板状:横長、散在性白点・・・難しい。ヘルペスだと思って治療しても治らなければ念頭に置くべき。
・周辺部潰瘍の時期:強い輪部炎。周辺部潰瘍。中心部不均一浸潤(ここにアメーバがいる)

4)薬剤毒性
ヘルペスと誤診されやすい・・が、dendritic tailない。バリア機能低下。周辺部浸潤軽い。眼瞼結膜充血あり。
※本人が一度ヘルペスすると、私はヘルペスと自己診断しやすいので要注意。分かりにくい場合は、しばらくゾビラックス入れずに経過をみて、dendritic tailの出現をチェックすべき。
by takeuchi-ganka | 2010-11-14 13:31 | 結膜炎 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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