2011年 05月 12日
第115回日本眼科学会 その2 (533)
詳細を把握している訳じゃありませんが、宇山先生を偲ぶ会は、どうやら6月12日午後にロイヤルホテル大阪で行われるようです。今週日本眼科学会が行われることもあり、関係者には案内が若干遅れると思いますが、時間がありませんので、関係者は心づもりお願いします。
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まだ雨が降り続ける大阪なので、抄録を眺めながら・・
O1-172 原発閉塞隅角症での機能的隅角閉塞に関与する水晶体因子の検討
Laser iridotomyした53眼の検討。
Visanteで、①LV:lens vault、②ACW
Aモードで、③ACD、④LT、⑤AL、⑥LP=1/2LT+ACD、⑦RLP=LP/AL ※Relative lens position
何れのパラメーターもLaser iridotomy後のAPCの有無で差がなかった。
※Laser iridotomy後のAPC(+)眼というのは、瞳孔ブロック解除後も隅角閉塞している眼。瞳孔ブロックがなくても隅角閉塞を来たす形態・・・つまりプラトー虹彩の要因のある眼のこと?Laser iridotomy後APC(-)というのは、そうでない眼。その両群の間の水晶体の位置・厚みに関するデータに差がないのは当然。できれば、虹彩付着部の形状の比較とか毛様体の形態の比較などが見てみたい・・。
O1-173 原発閉塞隅角眼における虹彩膨隆度と隅角開大度の関係
PAC眼に前眼部OCTで、瞳孔ブロックと隅角開度の関係を暗所と明所で判定。当然、暗くなって瞳孔が開くと共に瞳孔ブロックが強くなり(虹彩の膨隆度が増し)、隅角が狭くなる。それで・・・
O1-074 ペンタカムによる閉塞隅角症疑い(PACS)症例の径年変化観察
PACSで2年以上経過した(つまりその間にLaser iridotomyしようとか、白内障手術しようとか・・思わなかった、いやそのような適応がなかった)36眼は、前房深度も前房容積も変わらなかった・・・?(だから何もしなかったのでは・・。変化した眼は取り除かれているだけ?)
O1-075 Lens Vault:日本人閉塞隅角における危険因子
様々なパラメータがPACとの関連を調べられているが、一押しがLV。
(その昔、ポリクリの学生に何故PACでは隅角が閉塞するのかを説明するのに、こんな作り話をしていました。虹彩というのは、触ったら分かりますが、非常に柔らかい膜状構造物で、房水は、その膜状物の裏側を通って、瞳孔縁を通り抜けて、隅角へと向かいますが、瞳孔縁の部位で虹彩と水晶体の間が狭くなっていると、水が流れにくく、後房の方が前房より若干圧が高くなるので、虹彩はフワッと前方へ膨隆する。これが瞳孔ブロックだと・・・。この図を見ていると、LVというのは、虹彩を瞳孔縁で下方から上方へ押し上げる要因になる数字だと直感的に理解できます。)