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第387回大阪眼科集談会 その2 (614)

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特別講演
涙道手術のQOV

http://takeganka.exblog.jp/5899355/
http://takeganka.exblog.jp/12290469/

一般外来では患者数で3.0%ほどのジャンルらしい・・・。演者の医院の白内障手術の連続1000症例中、3.5%に涙道閉塞あり。

,涙道内視鏡を用いたSEP(Sheath guided Endoscopic Probing)
※以前、真野先生の講演で聴いた話:ついにSEP+SGI(Sheath Guided Intubation)の 時代に。内視鏡で閉塞部位を確認しつつ穿破し、シースを誘導して、鼻腔まで誘導して、シースを残して内視鏡を抜く。シースにPFカテーテルをドッキングさ せて、下鼻道からシースを引っ張り、カテーテル挿入して留置。残りの涙点からも同じようにSEP+SGIを行う。これにより成功率は90%近い。
基本的にこのような術式で行われているのだと思います。良好な成績で、満足度も高いのですが、実は見え方も良くなる。視力的には変わらないものの、その質が向上。波面センサーで調べると、高次収差(球面・コマ)減少。涙液が多いとblinking直後の収差が大きい。これが減少するから・・。
※鼻涙管閉塞と総涙小管閉塞では、前者の方が粘稠度高い。このほうが、球面収差大きい。

2,手術成績
70%は成功するが、30%は再閉塞。再手術を同じ手技で行うと、成功率40%弱。総涙小管閉塞なら100%近いが・・。総涙小管閉塞と鼻涙管閉塞との合併は、総涙小管閉塞と同じような成績?(多分基本病態が総涙小管閉塞だから?)。ほとんどの場合、総涙小管閉塞のみの閉塞だが、閉塞部位が涙小管に広範囲に拡がるほど治療困難に・・。
原因疾患:EKC、角膜ヘルペス、点眼の影響、抗癌剤(TS-1)

※TS-1について
 年間10万人ほどに処方されている抗癌剤。市販後調査では、16%ほどの涙小管閉塞?眼科の報告では、2-10%ほど。いずれにしても、大量に処方されている抗癌剤で、今までにはなかったタイプの涙小管閉塞が高率で発症しているらしい。男性に多く、平均7ヶ月だが3ヶ月以内に発症することが多く、閉塞部位も治しにくい部位で、再発も多く手強い。できれば予防的に或いは早期にDSI(Direct Silicone Intubation)がいい。ただ、留置するチューブを早く抜去すると再発。内服中止してから。それでも閉塞することあり。TS-1とシスプラチンの併用療法が行われるようになって、更に症例増加しているらしい。涙小管側から総涙小管側へ閉塞が進行する。上下片方だけでも、チュービングしておく。厄介なので予防か早期のDSIがいい。涙管通水検査がパスしても、流涙がある人はやがて閉塞する可能性高い。

3,先天鼻涙管閉塞
 生直後は70%が閉塞している?その後自然治癒するので、有病率6-20%?さらに12ヶ月で90%が自然治癒するらしい・・。欧米ではもう早期のプロービングはやらない方向。するなら3-4歳。日本では統一見解がない。涙嚢炎起こしている状態でのプロービングは菌血症などのリスクもあり、あまり早期にやるべきではない。また鼻涙管の中には、最後鼻腔に出るあたりで屈曲していて、盲目的プロービング(通常のこと)では、開放できないものがある。それでも、全症例涙道内視鏡という訳にはいかないので、最初は盲目的でいいかもしれない。でも、1回やってダメなら涙道内視鏡がある施設に送るべき。
by takeuchi-ganka | 2012-06-06 07:45 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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