2013年 01月 04日
緑内障との戦い2013 その1(654)
1,開業して10年以上経つと、白内障や糖尿病の眼底検査で通院している患者さんの中に、長期間経過観察していると、当初問題のなかった視神経・及び周囲網膜に徐々に緑内障性変化が出てくるのを経験するようになりました。一番見つけやすいのは乳頭出血でしょうか・・。大学病院時代にはなかった事で、一人の患者さんを10年以上見続ける開業医だけの発見かもしれません。
2,次は、初診の緑内障と関係のない疾患で来院された患者さんです。一応、初診の殆どすべての患者さんの視神経及びその周囲網膜は念入りに見ることにしています。少しでも怪しければ、精密検査を進めますが、緑内障は無症状つまり、無自覚なので、例えば結膜炎で来院された患者さんに緑内障の精密検査をすすめるのに、少し高いハードルを感じる事もあります。ただ、見逃した場合の失うものの大きさを考えて、ハードルを乗り越えるようにしていますが・・・。このケースでは、年齢的に結膜下出血で来院される年齢層の中に、時々緑内障を発見することがあります。
3,最近増加したのが、人間ドックや会社の検診で、視神経乳頭陥凹拡大を指摘されて受診される患者さんです。検診する医師サイドの意識に変化があったのでしょう。10年前より明らかに増加しています。ただ、このケースは気が楽です。すでに患者さんは、緑内障の精密検査を受ける心づもりができているので、通常通り検査を進めればいいのです。
4,3に近いケースは、他院で緑内障と診断されているか、疑われた患者さんがセカンドオピニオンで受診された場合、当院のブログを読んで緑内障が心配になり受診された場合、或いはテレビ番組で緑内障を取り上げていて、心配になって受診される場合です。いずれも、精密検査を受ける心構えができて受診されているので、ただ検査を進めればいいだけです。
診断にあたっては、特別なツール、高価な器械は必要ではありません。患者さんにとっては、物々しい器械で検査された方が、ありがたいかもしれませんが、よほど特殊なケースを除けば、普通に眼底を見ればわかります。視神経乳頭の形状とその周囲の網膜表層の変化を見ればいいのです。視野検査は基本はハンフリーの30-2ですが、初期は異常検出できないので、10-2を多用するようになりました。
ただ、緑内障は無症状・無自覚なので、相当進行しないと、自分で気づくことはありません。初期の緑内障であれば、緑内障が原因で中途失明になる事は殆どないと思います。厚労省に怒られるかもしれませんが、何もなくても、40歳を過ぎたら、一度眼科へ行きましょう。
興味深く読ませていただしました。
最近当院では、ハンフリーに加えGCC も併用するようになりました。
どこまで信頼性があるのか!?と医院長は言ってますが…。