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第10回大阪角膜フォーラム@ヒルトン大阪 その1(762) - マイボーム腺と角膜

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いい香り・・

1,眼表面感染症のピットフォール 京都市立病院 副部長 鈴木智

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23038034 

今回の話のポイントは、マイボーム腺、角膜フリクテンとマイボーム腺の関連は?

うまくまとめる事ができないので、知識の断片を・・・

Ocularsurfaceの異常は、フルオレセイン染色で・・

眼瞼との関連疾患は・・

 例えば、アトピー性角結膜炎、カタル性角膜浸潤、マイボーム腺炎角膜上皮症・・・・

そして、眼瞼炎:前部(MCJより前)・後部(マイボーム腺開口部付近)

・前部眼瞼炎:ブドウ球菌性眼瞼結膜炎、ヘルペス、アトピー

・後部眼瞼炎:マイボーム腺炎、霰粒腫、MGD

スリットでの観察の基本

1,弱拡・拡散光での観察から開始する。

2,スリット光

3,フルオレセイン染色(ブルーフリーフィルター使用)

4,眼瞼縁の観察:睫毛根部・マイボーム腺開口部

5,角膜・結膜病変と眼瞼との関連

※角膜周辺部:24810時の角膜フリクテン・カタル性角膜浸潤好発部位

※ブ菌性眼瞼炎⇒慢性結膜炎~角膜フリクテン

マイボーム腺 上30-40、下20-30

※開口部はMCJより皮膚側

全分泌holocrineMeibum:油層の機能

MG関連角結膜炎

MGD(閉塞性)⇒SPK

眼瞼炎

1)前部眼瞼炎:代表的なのがブドウ球菌性眼瞼結膜炎

高齢・糖尿病・アトピー

フィブリン析出・皮膚潰瘍、痂皮、collaretteが特徴。

下方のSPK(ブドウ球菌の毒素による)、2次性MGD

2)後部眼瞼炎(⇒マイボーム腺炎)

MRKC(マイボーム腺炎角膜上皮症)

MGDと角結膜炎の関係(重症度がパラレル)

フリクテン型(結節病変タイプ)と非フリクテン型(SPK主体)

フリクテン型は、若い女性で、恐らくアクネ菌が原因。meibumの培養おも若いとアクネ菌だが、高齢になるとブ菌が主体に・・・。

Meibum(若い人の?)⇒アクネ菌多い

アクネ菌が強い免疫反応を誘導する。

治療はやはり抗菌剤でアクネをたたく・・。セフェム系で開始して、クラリスロマイシンで維持。点眼もセフェム系。時間がかかるので粘り強く。

MGD

高齢女性に多い。加齢・性ホルモン(アンドロゲン減少)の影響大きいらしい。

下方にSPK

長期の緑内障点眼

※酒さ性眼瞼角結膜炎(ORocular rosacea)とMRKCが類似している(若い人で)。

若い女性、霰粒腫の既往、マイボーム腺炎、角膜への細胞浸潤・血管侵入

※高齢のMRKCは、アクネじゃなく黄色ブ菌

MGD 高齢者に多い(定義によるが、60歳以上なら60%以上、欧米は少ない)

診断基準 

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分泌減少型MGD:ワーキンググループが作成した診断基準(2010

1,自覚症状:眼不快感・異物感・乾燥感・圧迫感などの自覚症状がある。

2,マイボーム腺開口部周囲異常所見

 ①血管拡張

 ②粘膜皮膚移行部の前方又は後方移動

 ③眼瞼縁不整

①~③の内1つ以上を陽性

3,マイボーム腺開口部閉塞所見

 ①マイボーム腺開口部閉塞所見:plugging, pouting, ridgeなど

 ②拇指による眼瞼の中等度圧迫でマイボーム腺からの油脂の圧出が低下している。

①②両方満たすものを陽性

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治療:

1)マイボーム腺閉塞の解除

温罨法 http://panasonic.jp/face/products/EH-SW51/#recommend 

⇒このパナソニックの製品がオススメ?温めて溶かす・・

2)瞼縁の清拭( Lid hygiene

3)抗菌:アメリカでは、アジスロマイシン、ドキシサイクリン、トブラデックスなど

※アジスロマイシンの点眼は、アメリカでは「AzaSite® 1%」で発売されている。日本ではもうすぐ千寿から?

http://www.senju.co.jp/news/1188071_5657.html 

MGD ⇒ SPK(油層の障害、蒸発亢進型ドライアイ)

    ⇒ 感染 ⇒ MRKC

症例1 絶対緑内障、帯状角膜変性、MGD、角膜上皮欠損、感染 ⇒抗菌

症例2 40歳男性、2週間交換SCLMRKCと角膜の感染病巣が混在。感染に対しては、抗菌剤を行って、感染アレルギーには、感受性のある抗菌剤を入れ、原因細菌をたたいて、その後ステロイドを投入(タイミングが大切)

※同じような例としてHSV

上皮型病変は、ウイルス増殖。実質型病変は、免疫反応。また、角膜上皮病変、角膜実質の炎症、結膜炎・・・・など様々な病変が混在するヘルペス。

⇒基本的には、抗ヘルペス剤でヘルペスたたいて、残存する炎症にはステロイドを・・・


※自分で経験したマイボーム腺炎角膜上皮症

⇒マイボーム腺炎


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※フリクテン型の角膜上皮症
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by takeuchi-ganka | 2014-06-23 15:34 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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