2014年 06月 23日
第10回大阪角膜フォーラム@ヒルトン大阪 その1(762) - マイボーム腺と角膜
1,眼表面感染症のピットフォール 京都市立病院 副部長 鈴木智
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23038034
今回の話のポイントは、マイボーム腺、角膜フリクテンとマイボーム腺の関連は?
うまくまとめる事ができないので、知識の断片を・・・
Ocularsurfaceの異常は、フルオレセイン染色で・・
眼瞼との関連疾患は・・
例えば、アトピー性角結膜炎、カタル性角膜浸潤、マイボーム腺炎角膜上皮症・・・・
そして、眼瞼炎:前部(MCJより前)・後部(マイボーム腺開口部付近)
・前部眼瞼炎:ブドウ球菌性眼瞼結膜炎、ヘルペス、アトピー
・後部眼瞼炎:マイボーム腺炎、霰粒腫、MGD
スリットでの観察の基本
1,弱拡・拡散光での観察から開始する。
2,スリット光
3,フルオレセイン染色(ブルーフリーフィルター使用)
4,眼瞼縁の観察:睫毛根部・マイボーム腺開口部
5,角膜・結膜病変と眼瞼との関連
※角膜周辺部:2・4・8・10時の角膜フリクテン・カタル性角膜浸潤好発部位
※ブ菌性眼瞼炎⇒慢性結膜炎~角膜フリクテン
マイボーム腺 上30-40、下20-30
※開口部はMCJより皮膚側
※全分泌holocrine⇒Meibum:油層の機能
※MG関連角結膜炎
※MGD(閉塞性)⇒SPK
眼瞼炎
1)前部眼瞼炎:代表的なのがブドウ球菌性眼瞼結膜炎
高齢・糖尿病・アトピー
フィブリン析出・皮膚潰瘍、痂皮、collaretteが特徴。
下方のSPK(ブドウ球菌の毒素による)、2次性MGD
2)後部眼瞼炎(⇒マイボーム腺炎)
MRKC(マイボーム腺炎角膜上皮症)
MGDと角結膜炎の関係(重症度がパラレル)
フリクテン型(結節病変タイプ)と非フリクテン型(SPK主体)
フリクテン型は、若い女性で、恐らくアクネ菌が原因。meibumの培養おも若いとアクネ菌だが、高齢になるとブ菌が主体に・・・。
※Meibum(若い人の?)⇒アクネ菌多い
アクネ菌が強い免疫反応を誘導する。
治療はやはり抗菌剤でアクネをたたく・・。セフェム系で開始して、クラリスロマイシンで維持。点眼もセフェム系。時間がかかるので粘り強く。
※MGD:
高齢女性に多い。加齢・性ホルモン(アンドロゲン減少)の影響大きいらしい。
下方にSPK
長期の緑内障点眼
※酒さ性眼瞼角結膜炎(OR:ocular rosacea)とMRKCが類似している(若い人で)。
若い女性、霰粒腫の既往、マイボーム腺炎、角膜への細胞浸潤・血管侵入
※高齢のMRKCは、アクネじゃなく黄色ブ菌
MGD 高齢者に多い(定義によるが、60歳以上なら60%以上、欧米は少ない)
診断基準
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分泌減少型MGD:ワーキンググループが作成した診断基準(2010)
1,自覚症状:眼不快感・異物感・乾燥感・圧迫感などの自覚症状がある。
2,マイボーム腺開口部周囲異常所見
①血管拡張
②粘膜皮膚移行部の前方又は後方移動
③眼瞼縁不整
①~③の内1つ以上を陽性
3,マイボーム腺開口部閉塞所見
①マイボーム腺開口部閉塞所見:plugging, pouting, ridgeなど
②拇指による眼瞼の中等度圧迫でマイボーム腺からの油脂の圧出が低下している。
①②両方満たすものを陽性
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治療:
1)マイボーム腺閉塞の解除
温罨法 http://panasonic.jp/face/products/EH-SW51/#recommend
⇒このパナソニックの製品がオススメ?温めて溶かす・・
2)瞼縁の清拭( Lid hygiene )
3)抗菌:アメリカでは、アジスロマイシン、ドキシサイクリン、トブラデックスなど
※アジスロマイシンの点眼は、アメリカでは「AzaSite® 1%」で発売されている。日本ではもうすぐ千寿から?
http://www.senju.co.jp/news/1188071_5657.html
MGD ⇒ SPK(油層の障害、蒸発亢進型ドライアイ)
⇒ 感染 ⇒ MRKC
症例1 絶対緑内障、帯状角膜変性、MGD、角膜上皮欠損、感染 ⇒抗菌
症例2 40歳男性、2週間交換SCL、MRKCと角膜の感染病巣が混在。感染に対しては、抗菌剤を行って、感染アレルギーには、感受性のある抗菌剤を入れ、原因細菌をたたいて、その後ステロイドを投入(タイミングが大切)
※同じような例としてHSV
上皮型病変は、ウイルス増殖。実質型病変は、免疫反応。また、角膜上皮病変、角膜実質の炎症、結膜炎・・・・など様々な病変が混在するヘルペス。
⇒基本的には、抗ヘルペス剤でヘルペスたたいて、残存する炎症にはステロイドを・・・
※自分で経験したマイボーム腺炎角膜上皮症
⇒マイボーム腺炎