2014年 06月 25日
第10回大阪角膜フォーラム@ヒルトン大阪 その2 (763) -Boston KPro
2,人工角膜Boston KPro 宮田眼科 宮田和典
全層角膜移植の成績は、原疾患によっては、長期予後不良。円錐角膜や角膜ジストロフィーは良いが、水庖性角膜症は悪い。特に複数回となると成績悪い。そこで・・・人工角膜という選択肢。
昔から、様々なタイプが考案されてきたが、成績悪い。融解、脱落、感染、緑内障、網膜剥離・・・・
1,貫通型:OOKP(歯根部利用人工角膜 Osteo-Odonto-Keratoprosthesis)
近大グループ、良好な成績、どんな症例でも対応可能。SJSでも・・
ただ、簡単な手技とは言えず、大学病院でないと困難。
https://www.youtube.com/watch?v=JQ2uJ8Lg9Hw
2,一体型:Alpha Cor
徳島大、成績悪い?
3,挟み込み型:Boston KPro
Dr Dohlman考案。既に、5000例ほどの報告があり、成績良好。手技が簡単。
症例選べば・・・(自己免疫疾患がなく、瞬目や涙液分泌に異常ない事が条件)、複数回PKP行った後に行った7例の報告で、良好な成績。
シンプルな手技 https://www.youtube.com/watch?v=qsxL3no_yYw
1,donor角膜をトレパンで打ち抜いて、Boston KProをセット
2,recipent角膜をトレパンで打ちぬく。
3、Boston KProをセットしたdonorを縫合。
※眼圧は測定できないので、高いと予想されるときはチューブシャント手術併用
※バックプレートに増殖膜形成⇒瞳孔形成+増殖膜切除の必要なことも・・
※炎症遷延、CME発症することも・・
※角膜が小さければ、小児用KProを。
※感染病巣があって、そこを除去する角膜を偏心させて移植することも・・
※必要があれば、術後ビトも可能らしい。
※症例を選ぶとかなり良好な成績。
※IOLなくてもいい!
※乱視もない・・
術後1週間24時間SCL装着
抗菌剤点眼(ニューキノロン、バンコマイシン・・)はいつまで・・?一生?
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24460594
合併症
※後面増殖膜
※緑内障:細やかな管理は不可能。
もともと緑内障があれば、同時にシャント手術(Baerveldt tube)。
後に緑内障悪化が推定されたら、シャント手術追加。
※眼圧推定方法は?
1,触診:慣れるしかない・・・。
2,眼瞼眼圧計http://www.diaton-tonometer.com/
diatonは、値段の割に、結構いい加減・・。やはり触診。
3,経強膜測定:角膜より13.2mmHg高いらしい・・・pneumotonometorで・・
http://www.reichert.com/product_details.cfm?pcId=409&skuId=2973&skuTk=1035651526#.U6YddPl_vg8
適応
涙液分泌 減少 ⇒ 角膜上皮疲弊(+) ⇒ 輪部移植、培養上皮移植、PKP ⇒ OOKP