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第25回日本緑内障学会 その2 (786) 緑内障の構造変化を捉える

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シンポジウム4 構造変化を捉えて守る

S4-1,前眼部の構造変化を捉える 広瀬(神戸中央市民)

器械展示でRS3000を見ていたら、遅れてしまった・・・

PACの要因:①瞳孔ブロック、②プラトー虹彩、③水晶体因子、④水晶体後方因子(毛様体因子)・・・が複合的に作用している。前眼部構造は細隙灯顕微鏡や隅角鏡検査では主観が入りすぎるので、UBM,前眼部OCTによる定量的評価が必要(確かにそうだが・・・・)。虹彩根部の厚みも隅角開大度に関与する。角膜内皮に対する影響が怖いレーザー虹彩切開術よりは、水晶体摘出術が有用・・・という以前からのお話。

※プラトー虹彩形状は、変動しない要因。水晶体は加齢と共に若干厚くなる。通常毛様体因子はあまり考えなくていいすれば、前房深度や虹彩形状や、様々な解剖学的要因によって生まれる瞳孔ブロックが最終的に隅角の広さを決める筈。角膜内皮に対する影響が無視できるとすれば、レーザー虹彩切開術で瞳孔ブロックが解除されて、スリット状にでも隅角が開放されていれば、何の問題もない・・?また、隅角が非常に狭い場合、UBMOCTで見かけ上閉塞しているように見える隅角が眼圧正常なことはいくらでもあり、つまり水は流れている。隅角鏡でなければ、そこに器質的なPASが発生しつつあるのかどうか(水も通さない状態なのか)は分からない筈。PAC診断の基本はgonioscopeだと思うのだが・・。

S4-2,ブレブ構造変化を捉える 井上(熊本)

どこかで、白土先生が言われていたが、昔のブレブは細隙灯顕微鏡で見れば、おおよその眼圧が分かったが、MMCが出てきてから、分からなくなったと・・。ここでは、たかがブレブだけど、3D-ASOCTで解析して、filteration opening(強膜フラップからの水の出口) を同定可能(95%)。熊大は三角フラップのレクトミーで、filteration openingは徐々に幅が狭くなり、三角の尖端から離れる・・と。ただ、濾過胞再建術では、どこから漏れていようが、全部剥がすので解析は余り意味が無い?

oozingには特徴的所見がある・・らしい。

S4-3,高解像度OCTによる篩状板構造 庄司(埼玉医大)

OCTの分解能は、光源の波長幅に依存するらしく、市販のOCTの光源はSuperluminescent diodeSLD)を使用していて、波長幅は数十nmで限界があったが、モードロック広帯域レーザーを用いて波長幅を200nmに広げると、分解能を57μm2μm以下へすることが可能。これで生体のLCの詳細な観察が可能になったが、LCは予想以上に内部構造が複雑で解析困難・・・・。ただ、少し傾斜していて、それは緑内障や屈折度数と関連している。

LCの変化と神経線維ダメージの関連がわかれば素敵なのだが・・・。まだまだ道半ば。

※岩田先生がお元気で・・・ちょっと嬉しい。

S4-4,強度近視眼緑内障における黄斑部構造変化 中野(京大)

スペクトラリスOCTの画像から黄斑部の神経節細胞層(GCL)を可視化⇒RGC量を判定。

近視が強くても、上下対称で、再現性高く、早期の緑内障診断が可能に・・・。

※ごく早期においては、神経線維層より神経節細胞層のほうが、より急峻な局所性の変化があると・・

S4-5OCTによる緑内障の発症予測 三木(阪大)

Rates of retinal nervefiber layer thinning in glaucoma suspect eyes.

Miki A, Medeiros FA,Weinreb RN, Jain S, He F, Sharpsten L, Khachatryan N, Hammel N, Liebmann JM,Girkin CA, Sample PA, Zangwill LM.

Ophthalmology. 2014Jul;121(7):1350-8

緑内障疑い患者の神経線維層菲薄化速度は-0.82 μm/year。視野欠損に至った患者群では、-2.02 μm/year(加齢による速度は-0.52μm/year)。また、菲薄加速度が1-μm/year速くなると、視野欠損を生じるリスクは2.05倍に。

S4-6,緑内障眼における眼循環と構造変化の関連 志賀(東北大)

http://www.softcare-ltd.co.jp/index.php/products/10-medical-appliances/14-prod-lsfg-navi.html

LSFG-NAVI :眼循環スタデイの定番的器械。MBRは、NTGで早期から低下している。

昔から論争の原因になっている、血流低下は原因なのか結果なのか?ごく早期のNTGPPGでも血流は低下している・・・。ただ、プライマリーの原因ではなく、重要な修飾因子?

Waveform analysis of ocularblood flow and the early detection of normal tension glaucoma.

Shiga Y, Omodaka K,Kunikata H, Ryu M, Yokoyama Y, Tsuda S, Asano T, Maekawa S, Maruyama K,Nakazawa T. 

Invest Ophthalmol Vis Sci.2013 Nov 21;54(12):7699-706

OCTの血管のシャドーから血管径⇒緑内障診断に有用?


by takeuchi-ganka | 2014-09-23 07:00 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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