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加齢黄斑変性の治療が・・

将来発症の危険性のある患者さんは、650万人以上。将来発症の危険の高い患者さんは、200万人以上で、日本人にも30万人以上の患者さんがいると推定されています。欧米では、成人の失明原因の第一位の疾患で、日本人にも急増中です。
網膜の中心が障害され、短期間に急激に視力が低下します。一旦発症すると、治療も非常に難しいとされています。この疾患の治療が漸く少しずつ変わりつつあります。

発症前

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 1、危険性の高い眼:サプリメントによる予防効果が有効であるという報告があります。日本では、ボシュロムジャパンから『オキュバイト・プリザービジョン+ルテイン』という商品で売られています。怪しげなサプリメントに無駄金払うのなら、これを服用すべきでしょう。
2、禁煙(危険因子とされていますし、そうでなくても、止めるべきでしょう。)
3、サングラス(有害紫外線をカットするのが目的です。)

発症後

加齢黄斑変性の治療が・・_f0088231_13513580.jpg


1. レーザー治療
①レーザー光凝固 (原因となっている新生血管全体を強くレーザー光線で焼く)
   ※最近は、後退ぎみ
  ②光線力学療法(PDT) (新生血管が網膜の中心に及んでいる場合、この治療で行う)
   ※躍進中!!
   ③経瞳孔温熱療法(TTT) (特殊症例のみ?)
   ※後退
2. 手術治療   
  ①新生血管抜去術 (徐々に消え行く治療・・・?)消失ぎみ。
  ②中心窩移動術  (最後の手段?)
3. 薬物治療
①抗VEGF アプタマー  Macugen (pegaptanib sodium)
      ※ 眼内に注射で投与。現在主力のPDTと同レベルという話もあります。
    ②血管静止性ステロイド Rataane (anecortave acetate )
      ※ 簡単な手技での注射で使用します。
    ③抗VEGF抗体
1) Lucentis ( rhuFab)
2) Avastin (bevacizumab),
     ※このふたつも、眼内へ注射して使用。PDTと同レベル??

 要約しますと、発症後の治療については、かつて、主流だった網膜レーザー光凝固術から、より安全確実なPDTへとシフトしつつあり、様々な報告は、将来更に、簡単で有用な薬物治療を予感させます。この分野は、要注目です。



 
by takeuchi-ganka | 2006-05-31 15:54 | 加齢黄斑変性 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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