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ω3脂肪酸は加齢黄斑変性に対して効果あり? (815)

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春らしい小鳥発見・・

Omega-3 supplementationcombined with anti-vascular endothelial growth factor lowers vitreal levels ofvascular endothelial growth factor in wet age-related macular degeneration.

Am J Ophthalmol. 2014Nov;158(5):1071-78. doi: 10.1016/j.ajo.2014.07.036. Epub 2014 Aug 1.

Rezende FA1, Lapalme E2,Qian CX2, Smith LE3, SanGiovanni JP4, Sapieha P2.

VEFG治療を受けている滲出性加齢黄斑変性患者のVEFG-Aレベル(濃度)に対するω3サプリの影響を調べたようです。この研究で使用したサプリメントは、ボシュロム社のオキュバイトではなく、アルコン社の『Vitalux® plus Omega-3』。微妙に成分比率が異なる。

ボシュロム社のオキュバイトのAREDS処方は

  1. ビタミンC 500mg
  2. ビタミンE 400IU  
  3. β-カロテン15mg 
  4. 亜鉛80mg  
  5. 2mg 

で、AREDS2では、カロテノイド・ω-3脂肪酸の付加で、加齢黄斑変性の進行抑制は確認できなかったのですが(含まれるω3が少なかったから・・・?!)、結果解析により

  1. ルテイン・ゼアキサンチン(LZ)摂取群は、非摂取群との比較で、AMD進行リスクを10%減少。
  2. AREDS-βカロテン+LZ)処方は、AREDS処方よりもAMD進行リスク18%減少
  3. 普段の食事でLZをほとんど摂らない人では、LZ摂取によりAMD進行リスク26%減少

などが確認された結果、オキュバイト・プリザービジョン2処方は、

  1. ビタミンC 408mg  
  2. ビタミンE 242mg 
  3. ルテイン 10mg 
  4. ゼアキサンチン 2mg
  5. 亜鉛30mg 
  6. 1,5mg

となっています。(オキュバイト50プラスとういう商品には、ω3が含まれてますが・・・)

今回はまた別のアプローチによるω3の有効性の確認のようです(会社主導?)。

アルコン社のVitalux®の成分は・・・・

Vitalux® plus Omega-3』 vs Vitalux® AREDS

  1. βカロテン 14325728vs 2864(5728) μg
  2. ビタミンC  125(500) vs 250(500)mg
  3. ビタミンE  45(180)mg vs 134(268) mg AT/100IU
  4. 銅      0.25(1)  vs 1(2)mg
  5. 亜鉛    6.25(25) vs 40(80)mg
  6. ルテイン 2.5(10) vs 5(10)mg
  7. ゼアキサンチン 500(2000) vs 250(500) μg

ω3脂肪酸

  1. DHA 50(200) vs 0mg
  2. EPA 100(400) vs 0mg

※1カプセル含有量(一日投与量)

http://www.vitaluxvitamin.ca/en/vitalux-family-of-products/plus-omega-3.shtml

VEGF治療(bevacizumab 1.25 mg/0.05 mL)を受けている滲出型の加齢黄斑変性を2つのグループに・・

硝子体液中のVEGF-A濃度

グループ1(Vitaluxplus Omega-3を4カプセル/日) (141.11 ± 61.89 pg/mL)

グループ2(Vitalux AREDSω3なし)を2カプセル/日投与)  ⇒(626.09 ± 279.27 pg/mL)

VEGF治療しながら、サプリメント(『Vitalux® plus Omega-3 VS Vitalux® AREDS』)内服しているグループの比較。ちょっとビックリする位の差がついています。これがすべてω3内服の効果なのでしょうか??

だとすれば凄い事の気がします。俄には信じ難い・・・

どちらも平均年齢80歳弱で、平均視力は0.60.8、抗VEGF注射は平均8回と6回で、最後の注射から8週間ほど経過しているそうです。両群の差は、サプリメントにω3脂肪酸が含まれいるか、いないかだけの差。かなり有効な薬物治療でも、なかなかここまで明らかな差がでないもの。ω3内服が、網膜硝子体の病的部位におけるVEGA濃度を4分の1以下にしてしまった?

グループ3(抗VEGF治療前。サプリメントなし)          ⇒(735.48 ± 216.43 pg/mL)

※サプリメント内服なし、抗VEGF治療前が最もVEGF-A濃度高い。グループ2と同程度だが・・

グループ4(ERMMHの硝子体手術後。サプリメントなし)   ⇒(235.81 ± 33.99pg/mL;)

※加齢黄斑変性がなければ、VEGF-A濃度は低い。

※各グループの血中VEGF-A濃度には差ない。

※ただ、魚を週に何回も食べる人は除外してあります。日本人ならスタデイにすら入れない?

今後、ω3脂肪酸内服によって、硝子体(網膜)のVEGF濃度を下げつつ、抗VEGF治療を組み合わせれば、加齢黄斑変性治療効果の向上が期待できる?再発も少なくなる?ちょっとそんな期待が持てる論文でした。加齢黄斑変性と言われたら、或いはリスクが高いと言われたら、週に数回青魚を食べるかω3内服が望ましい・・?!鯖、鮪(とろ)、鰯、秋刀魚、鰤、鮭などを食べていれば大丈夫かも・・


by takeuchi-ganka | 2015-03-14 13:10 | 加齢黄斑変性 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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