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OCTとHRT (821)

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※少し春らしくなってきたけど・・・

補償光学走査型レーザー検眼鏡(AO-SLO)で、画像検索かけると、視細胞の粒粒が明瞭な画像がヒットする。いったい技術革新はどこまで進むのだろう・・・。どんどん見えるようになっている。初めて補償光学 Adaptive opticsAO)という名前を聞いたのは、数年前だったが、製品化までもう少し?光学的どんなに頑張っても、鮮明な画像取得には限界があるのを、大気のゆらぎによる収差を補正(補償)するものが、補償光学という技術で、これを眼科領域に応用したものだそうです。詳しい事は、いくら勉強しても限界があるが、要するに波面センサーで計測した収差を補正する仕組みを組み込んだSLOOCTが登場するということです。AOの有無は、デジカメにおける手ブレ防止機能の有無に似た画質の差があるようです。検査機器の解像度がどんどん向上して、もはや光学顕微鏡レベルに・・。

(※http://www.iovs.org/content/48/12/5340/F2.large.jpg

先日、K教授と話をする機会があり、OCTが登場する遙か昔に、病理組織の大家は、最新のOCTで得られる病態を既に理解していたと・・・教えてくれました。一般的なOCT画像は、ちょうと光学顕微鏡レベルの網膜の病理組織の写真と重なる。

  1. タイムドメインOCTtime-domain OCT; TD-OCT
  2. フーリエドメインOCT:スペクトラルドメインOCTSpectral-domain OCT; SD-OCT
  3. 高深達OCT 光源:800-9001050μm
  4. 波長掃引型OCTSwept source OCT;SS-OCT
  5. 補償光学OCTAdaptive optics OCT;AO-OCT
  6. 超広角OCT
  7. 偏光OCTpolarization-sensitive OCT;PS-OCT
  8. ドップラーOCT Doppler Optical Coherence Tomography
  9. 網膜機能OCT retinal functional OCT

 現在市販化されているのは、5SS-OCTまで、6AO-OCT以降は、まだもう少し先のようです。究極のOCTが手に入るまで待っていると、寿命が尽きそうなので、そろそろ購入することに・・・。緑内障診断に関しては、先ず自分の眼を一番信用してきたスタンスを変更するつもりはありませんが、視神経に起きている緑内障性の変化を定量的に記録する能力については、OCTにずいぶん劣ると言わざるを得ません。国産の検査機器と異なり、なかなか壊れない優秀なHRTⅡを長らく愛用してきましたが、今年の5月以降は、SS-OCTがその代わりを務める事になりそうです。ただ、HRTⅡは、もう15年近く働いてくれているので、導入時から検査を続けている患者さんの中で、画質のいいデータが記録されている場合は、経時的変化が把握できるので、壊れて動かなくなるまでは、OCTと併用するつもりです。やはりH社は凄いです。

OCTとHRT   (821)_f0088231_10283451.jpg


 この患者さんは、眼圧コントロールはまあまあでしたが(平均15程度)、5年ぐらい経過して、視神経乳頭所見の悪化をHRTⅡで確認できていて、この後眼圧はフルメディケーションでも25あたりまで上昇してきたので、ひらかた山岸眼科にてPEAIOL+深層強膜切除併用トラベクロトミーを行っていただき、現在15以下にコントロールできています。ビトをお願いする事の多い滝井病院の西村先生と並んで、スーパーサージャンが近くにおられて、気軽に(?)手術を依頼できる事は幸せなことです。緑内障のように、超慢性疾患の場合、経過観察期間は510年は当たり前ですので、検査機器が長寿であることは非常に意味があります。次のSS-OCTが長寿であることを願ってます。


by takeuchi-ganka | 2015-04-13 10:26 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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