2015年 08月 26日
第15回近畿眼科オープンフォーラム その1 (861)
第15回近畿眼科オープンフォーラム
もう15回目にもなる近畿眼科オープンフォーラムが、今回は、グランフロント大阪内の地下2階にある会場「ナレッジカレッジ コングレコンベンションセンター」で行われました。初めてでしたが、アクセスも良く、まわりにいろんな施設があるので、時間調整も可能で、広くて感じの良い会場でした。アクセス良好で、時間調整可能ということは、大量の参加者が一度に押し寄せるって事?
第一部 基調講演
1,OCTで見る近視と緑内障 京都大学病院 赤木忠道
近視と緑内障は、深い関わりがあります。近視は、緑内障のリスクファクターでもありながら、緑内障診断を困難にする要因にもなっています。ただ、強度近視があれば、視野欠損が強いとか、視野障害が固視点に近いとか、進行しやすい・・・(最後は?)、一方視神経乳頭所見は、近視(眼軸長延長)によって修飾され、緑内障性変化がわかりにくい・・。OCTの様々な診断プログラムの診断性能は ①GCC ②cpRNFL ③乳頭解析・・・。さて
①GCC:これは、黄斑部網膜内層の厚みの解析です。緑内障は、神経節細胞から障害が始まるので、高い再現性をもって評価ができるように、通常神経線維層(RNFL)+神経節細胞層(GCL)+内網状層(IPL)の厚みを測定して、正常データベースと比較。
②cpRNFL:乳頭周囲のサークルスキャン(3.45mm)や3Dスキャンで乳頭周囲の神経線維層の厚みを測定
③乳頭形状解析:個人差が大きいが、進行評価なら可能?
※さて、近視が強い時にどの程度有用?
1)現在は、ニデックの機種しか搭載していない長眼軸データベースを利用(通常の正常データベースでは強度近視は除外されている)。この機能については、ニデック以外の機種を使っている場合、諦めるか、長眼軸データベースを搭載するまで我慢するしかない・・・?頑張れトプコン・・
2)上下対称性の活用:近視が強くても網膜の厚みの上下対称性は維持されていることの活用。
提示症例1から
cpRNFLは、視神経乳頭周囲の神経線維層の厚みは、上方と下方で厚くなるダブルハンプ形状をとる。強度近視では、このダブルハンプは耳側にシフトするので、通常のデータベースを使うと誤診のもと?この場合でも、中心窩を基準にして上下の網膜の厚みの比較で正しい判断可能。
intrachoroidalcavitation(ICC):強度近視の乳頭可能にしばしば見られる三日月状のオレンジ色の病変。かつてPDPM(peripapillary detachment in pathologic myopia)と呼ばれ、強度近視の5%(?)に見られ、これがあれば70%に緑内障性視野障害が見られる・・・らしい。この境界部位で神経線維障害が生じるらしい・・・。それって緑内障?
NFLDが見えるが、OCTではかなり誇張された結果に。長眼軸DBを利用すると、見た目通りの結果に・・。上下比較では、妥当な差が確認。
※視野も標準的な24-2/30-2では10度以内の測定点は12個しかないが、10-2なら68個もあり、初期変化も明瞭に捉えられる。
※よくある初期緑内障ですが、視神経はちょっと陥凹大きいかなって程度ですが、その耳下側にNFLDがありそう。30-2で検査すると、測定点1個のみの感度低下で、MDは0.07dB。
※10-2で検査すると、異常を示した測定点は15個以上。優秀な(?)トプコンのDRI-OCTで精査すると、GCL++のシンメトリーマップでは、10-2の結果にほぼ一致するような菲薄化が明らか。初期緑内障の診断・経過観察は10-2でないとね・・