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第120回 日本眼科学会総会 その1 (926)

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120回日本眼科学会

日眼のような大きな学会は、最近は、滅多に参加しないので、今回も久しぶりの参加。前回は何時だっただろう?ブログを見返すと、第115回以来・・・・・。その年は恩師の宇山先生が亡くなり、偲ぶ会が開かれた年。あれから5年なのか・・・。

今回の日眼は仙台なのだが、あいまいな記憶だが、20年ぐらい前に一度来たことがある。ブログなんか書いてなかった時代なので、何の学会だったかも忘れてしまった。ただ、私が予約した『寿司一』という名前の寿司屋さんへ宇山先生を連れて行き、先生が若干不安な顔をしていたのと、新鮮なウニが味わったこともない触感だった記憶だけが残っている。

※ちょっと調べると・・・これでした。⇒第21回日本眼科手術学会 平成10 52024日世話人:玉井信(東北大)仙台国際センター

久しぶりの日眼なのに、風邪気味で体調ボロボロ。風邪薬で何とか起き上がり、最初に聴きに行ったのは、無謀にも・・基礎研究セミナー。玉砕するつもりで・・・・。折角日眼に来たのだから、臨床ネタじゃなくて、日眼らしいネタを・・


シンポジウム18

基礎研究セミナー「他分野の基礎研究から学ぶ」

S18-1 アミノ酸の形と老化 藤井紀子 京都大・原子炉実験所

なぜ白内障がおこるのか?なぜ透明だった水晶体が濁るのか。水晶体に高濃度で含まれるクリスタリンが構造変化して、異常凝集体となりそれが蓄積するから。なぜ構造変化するのか。クリスタリンには、『α- クリスタリンはαA-, αB-2サブユニットが、β- クリスタリンはβA1-βA4, βB1-βB37サブユニット、γ- クリスタリンはγA-γDとγS5サブユニットが存在しています。水晶体内ではα- クリスタリンは40量体、β- クリスタリンは2-6量体、γ- クリスタリンは単量体で存在し、互いに相互作用して秩序だったスーパー構造を保持し透明性を維持していると考えられています。』(JSCRHPから) 蛋白質構成アミノ酸の1) 酸化、2) 脱アミド化、3)非酵素的糖化、4)異性化、などが報告されているが、今回の話は、アスパラギン酸(Asp)残基の異性化。我々のタンパク質は全てLアミノ酸で構成されているが、D−体に反転する。1D体が入るだけでも、構造変化が生じ、折りたたみ異常を来して凝集化する。このD体は老化のマーカーとも言える。

Asp 残基の D-β-体化を見つける方法は、かつてはジアステレオマー法だったが、LS-MS/MS法へ。二日以内に分析可能。となりがグリシン・アラニン・セリンだったり小さいアミノ酸だったりするとD化しやすい。D体の含有率とかどこのアミノ酸が異性しているのか解析可能・・・


S18-2 緑内障原因遺伝子の機能とタンパク質相互作用から見た緑内障の発症機構 蓑島伸生 浜松医大・光尖端医学教育研究センター

緑内障原因遺伝子のひとつオプチニューリン(OPTN)は、炎症関連因子である NFkB の活性、分泌、オートファジーの制御など多岐に渡る機能を有することが知られているが、ALSの原因遺伝子でもある。

『緑内障原因遺伝子オプチニュリンのオリゴマー形成と酸化ストレスあるいはE50K変異による共有結合性架橋の形成:緑内障発症との関連性 PLoS One 9e101206, 2014. 我々は、培養細胞を用いた解析で、OPTNが細胞内で主として高分子複合体として存在すること、還元条件下(SDS-PAGE)では単量体となること、酸化ストレスを加えると一部が非S-S共有結合により架橋されること、架橋されたOPTN三量体であることを見出した。部分欠失体を作製して解析したところ、OPTNの非S-S共有結合三量体(cOPTN3)の形成には、最もC末端側の4領域が必須であることが判明した。さらに興味深いことに、緑内障変異E50Kを有するOPTNの場合には、cOPTN3は酸化ストレスの有無にかかわらず形成された。この現象はE50K変異で顕著にみられるOPTN顆粒の形成(foci)との関連も示唆し、発症機序に関わるのみならず、E50K変異患者の症状の重篤度に関わる要因である可能性も考えられる。(日眼会誌 11810352014から転載)』 この培養系でのOPTN顆粒の形成・空胞・TDP-43断端の細胞内凝集は、STRやラパマイシンで抑制。

※疾患原因遺伝子が、何故緑内障を発症するのか、それは治療可能なのか・・に関わる鍵?予想通りだが、殆ど理解出来なかった^^;


※学会へ行く場合、すぐに晩ごはんの心配から入る悪いクセがあり、今回は金曜日夕方のチョイスは、e ? 若い店主は、感じいい人で、将来が楽しみな店。また行けるといいのですが・・

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by takeuchi-ganka | 2016-04-17 10:53 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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