2016年 04月 19日
第120回 日本眼科学会総会 その2 (927)
※間違って入ってしまったシンポジウムの中で、タイトルだけは、非常に興味をひいた講演だが、またまた難解な内容・・・
第120回日本眼科学会シンポジウム18 基礎研究セミナー「他分野の基礎研究から学ぶ」
S18-3視覚認知の最前線 —意識にのぼる視覚とのぼらない視覚 伊佐正
非常に興味を引くタイトルなのだが、内容は理解困難。一次視覚野が損傷されて、その障害視野に提示されたものは、見えない筈なのだが、位置がわかる⇒『見えていると意識できないのに(脳は)見えている』⇒blind sight 盲視。マカクサルの一次視覚野を障害して(Blindsight monkey)、視覚運動変換及び認知機能を研究。損傷後約 2ヶ月で障害視野の標的に向けてのサッケード運動は回復するが、その際の視覚—運動変換過程には、一次視覚野を迂回する経路として、中脳上丘 から視床枕、そして頭頂連合野を経由する経路が働いていることを脳機能イメージングや薬理学的ないしはウィルスベクター(順行性・逆行性)を用いた経路選択的機能操作技術を駆使して明らかに。視覚情報が、別の経路(膝状体外視覚系)から送り込まれているのだが、意識にのぼらない。だけど見えている?
- サリエンシーとは?⇒ http://pooneil.sakura.ne.jp/archives/permalink/001452.php
- サリエンシー・マップから視覚探索解析⇒ https://www.nips.ac.jp/hbfp/news/201207-1_news.htm
Laurentのsaliency model (Itti & Koch 2000,Nature Rev Neurosci) ⇒片側一次視覚野損傷サルの眼の動きを解析すれば、一次視覚野がある視野と無い視野とでサリエンシーがどう違うか、つまりは盲視で「見ている」世界が何なのかがわかるのでは? ⇒自然なムービーを見ている際の自発サッケードを解析 ⇒サルが自然な視野で盲視野においてサリエントな視覚対象を検出できているのか? ⇒Laurentがモデルの基本にしているいくつかのサリエンシーを構成するmodality(明るさ、色、方位、点滅、動きなど)のうち、どれに特に眼球が引き寄せられるかが、一次視覚野のあるなしでどのように違うのか? ⇒サルは盲視野で動きや明るさは検出しているが、方位は検出できていない、一方で色も検出できているらしい(色そのものじゃなく、違いがわかるだけ?)
※ある種類の行動の素早い修正、視覚野損傷の子供がバスケットボール出来ていたり、半盲があっても、動くとわかる(感じがする)・・・などが盲視?