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第45回関西医大眼科同窓会 春の勉強会 その3 (943)

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開園直後なので、青がメイン


7,未治療滲出型加齢黄斑変性に対するアフリベルセプト treatand extent変法の1年成績 大中誠之 関西医大

細かな治療上の問題点の解析で、個人的にはあまり興味ない・・・というか理解不能。過剰投与にならないように、反応良好例を見極める?

かつてのブログからの転載で復習  加齢黄斑変性の治療の現在は、マクジェン、ルセンティス、そしてアイリーア。ただ、メインはルセンティスとアイリーアでしょう。この薬物が、かつての治療より数段治療成績がいいのは確実で、今は、どのような投与方法が、より少ない回数で、良好な成績を上げるのかが検討されているようです。投与方法に対するネーミングが独特なので、略語を覚えておかないと理解できなくなります。導入期に毎月何回か注射して、その後維持期に入るのだが、これを定期的に行うのか、再投与基準を決めておいて、悪化が確認されたら投与するのか。以前の自分のブログを見てみると

  1. 毎月投与、隔月投与:これはそのまま理解すればよくて、毎月或いは2ヶ月毎に投与。
  2. PRN pro re nata:必要に応じて)= Reactiveな投与:毎月注射するのは、患者さんの経済的負担が大きいので、悪化したと判断された場合だけ投与する方法。(何故、突然ラテン語なのでしょう・・・)
  3. Proactive / Treat and Extent:悪化してから投与するのでは、成績が悪くなるので、もう少し工夫した投与方法。
    • Proactiveは、事前に計画された投与方法で行う。2ヶ月毎とか3ヶ月毎とか・・・。
    • Treat and ExtentTAEは、滲出所見の有無にかかわらず計画的に投与して、再発しなければ1-2週間づつ投与・診察間隔延長し、再発したら1-2週間づつ投与・診察期間を短縮する。結果として、滲出性変化のない状態を維持する為にもっとも適切な投与・診察間隔を決定。

ここからが本番で、『TAEが主流なのかもしれないし、それで視力も高いレベルで維持できるのかもしれませんが、いつまで注射を続けるのか、過剰投与の可能性はないのか・・という問題点は残る。また、以前の治療成績から27.5%は導入期の投与のみで1年再発ない事がわかってるので、少なくとも27.5%には過剰投与?永井先生らが行っているTAE変法とは・・、導入は同じように行って、再燃がなかったらそのまま治療しない。再燃があればTAE移行する。これで治療成績はそのままで、平均4.2回/年(TAEの半分ぐらい?)。』

※今回、導入した120眼でTAE変法に持ち込めたのは、50眼程度。

8,輪状締結術に強膜が菲薄化したEhlers-Danlos症候群の1例 大庭慎平 関西医大

エーラス・ダンロス症候群(6つの主病型(古典型、関節型、血管型、後側彎型、多発関節弛緩型、皮膚脆弱型))の後側彎型。後側彎型EDSの診断基準の大基準に、皮膚脆弱性・皮膚過伸展性、全身関節弛緩、筋緊張低下、進行性側彎、眼球破裂(強膜脆弱性)とある。17歳男性の後側彎型EDS。-15D以上の高度近視で、眼瞼下垂・内眼角贅皮・球状角膜で、両眼に広範囲に格子状変性があり、片眼にRRDが発生して、バックリング。強膜は予想以上に薄い。RD復位したので、強膜破裂を危惧して、バックルはそっと除去。伝統的にジアテルミーを使用していて、それも問題?

9,網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫に対するラニビズマブ硝子体内注射の投与方法の検討 中道

 ここはルセンティス。少し前(?)までの常識なら、FAして、虚血性変化(無血管野)が強ければそこに光凝固して、MEに対しては、STTAIVR・・と考えていたが、もはやFAもしないで、最初からIVR。今回は、最初に3回してPRNなのか1回だけでPRNなのか。あまり差がないので、3回する必要性は低そうで、1回で十分。何度も再発するならFAして虚血性変化が強ければ、光凝固すればいいのだが、最初はMAだけがターゲット?

10,網膜静脈分枝閉塞症における黄斑浮腫寛解後の残存変視症の検討 中内正志

 MA消失後も残る変視症をM-CHARTSで検討。結果として変視症の残る残らないの症例の特徴は特にない?変視症(+)群はIVR投与回数が少し多い。視力が良くても変視症(+)なら早期にIVRすべきか・・。ただ、浮腫もなく変視症残存していても治療はしない。


by takeuchi-ganka | 2016-06-05 10:30 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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