2017年 02月 12日
なにわレチナ倶楽部 その1 (997)
なにわレチナ倶楽部
あまり聞いたこともない名前の勉強会でしたが、集談会で梅田に出たついでに聴講してきました。
アイリーアの紹介
既に推定17万人が使用。重篤合併症(脳梗塞・心筋梗塞)は、0.23%。加齢黄斑変性に限れば0.39%(高齢なので少し↑)。
基幹病院での抗VEGF注射は、もう満杯状態のようで、注射してくれる近隣の眼科に注射を依頼するケースが増えてくると、糖尿病手帳のような加齢黄斑変性手帳を作って、緊密な病診連携を・・
※治療が器械的に行われる証左のような気もするが、この治療はそんなものなのかも・・・
講演Ⅱ MacTelの診断と治療 最近のトピックス 東京女子医大 古泉英貴
https://www.scienceopen.com/document/read?vid=d38f6199-93ab-402a-bbb3-d7830dee51c2
この講演は収穫。診断が微妙なので、写真がきれいでないとわかりにくい。演者が、きれいな写真で示してくれたので勉強になりました。以前から呼び名が気になっていたのだが、もともとIdiopathic (Juxtafoveal)Retinal telangiectasiaなどと呼んでいた筈が、いつの間にか、MacTelなどと呼ばれていて、初めて聞いた時に、疎外感を覚えたのだが、この女子医の先生の講演は分かりやすかった。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2934714/
Gass分類(1993)⇒Yannuzzi分類(2006)
Group 1A:Visible and exudativeIJRT /Group 1B:Visible,exudative,and focal IJRT
⇒Type1:Aneurysmal Telangiectasia 90%が男性で片眼。黄斑浮腫(+)、硬性白斑(+)、日本人に多い。治療(-)で治ることも・・。耳側縫線を巻き込むような分布あり。血管瘤を直接凝固。適応外だが、前房内にPIFG増加していて、アイリーア有効。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2934714/figure/F0001/
Group 2A:Occult and nonexudativeIJRT ( Stage 1-5)/Group 2B:Juvenile occult familialIJRT
⇒Type2:Perifoveal Telangiectasia (非増殖期・増殖期) 検眼鏡で目立たない!性差なくて、50-60代に多く、両眼性。欧米に多い。ステージ1は、殆どわからない?ステージ2は、網膜透明性低下し、クリスタリン(+)、FA漏出(+) ステージ3は、静脈途絶。dilated right-angled venules。ステージ4は色素沈着。ステージ5は網膜下新生血管。
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2934714/figure/F0002/
- https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2934714/figure/F0003/
※Type1とは別もの。ミュラー細胞の変性疾患。(深層)毛細血管の変化は二次的なもの。非増殖期は、変視症(読書能力低下)。眼底自発蛍光・青色反射画像・AO-SLO・OCTangioなどでよく見えるらしい。非増殖期は治療(-)。光凝固してはいけない!増殖期は抗VEGFあり?
※Ciliary neurotrophic factor有効らしく、臨床試験途中。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4361328/
Group 3A:Occlusive IJRT/Group 3B:Occlucive IJRT associated with central nervous system vasculopathy
⇒Type3:Occlusive Telangiectasia(滅多にない)※何らかの全身血管病変を伴う。
講演Ⅲ 当院における最近の黄斑下手術の話題 大阪赤十字病院 秋元正行
精力的に手術されている年齢不詳の先生。何だか手術が楽しくて仕方ない感じ・・ネット情報だが、ルービックキューブの世界チャンピオンでもある?
https://www.worldcubeassociation.org/results/p.php?i=2003AKIM01
黄斑血腫の手術の話だが、昨年6月からtPAが使えるようになり、手術はグレードアップ。まず抗VEGF注射して、血腫がアーケードを越えている場合:tPA入れて、ちょっと待ってから血腫洗浄。アーケード超えない場合:tPA入れて、ちょっと待って血腫移動。その後も適宜抗VEGF投与。
- ILM剥離すると、同部に水を吹きかける網膜下へ入っていくらしい。光凝固不要だと。
- 前日にtPA入れて、翌日しっかり溶けた血腫を除去するという方法もあり?