2017年 04月 02日
第417回大阪眼科集談会 その1 (1007)
平成29年4月1日 毎日新聞オーバルホール
1,動脈炎型前部虚血性視神経症にみられた paracentral middle maculopathy 大石奈津子 大阪市大
http://jamanetwork.com/journals/jamaophthalmology/fullarticle/1724457
OCT上、PAMMと呼ばれる所見。2例紹介されて、最初の症例は網膜・脈絡膜ともに循環障害があり、CRAOの軽いケース?PAMMなら、もう少し内顆粒層あたりに限局している筈(OCT上の高い輝度所見)?。2例目は網膜循環に問題なく、脈膜膜循環障害が高度のケース。
2,水平半盲を呈した抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の1例 小林礼子 関西メディカル病院
高度視力低下、中心暗点、予後不良、女性に多い・・・が特徴の抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎だが、今回は52歳女性で、経過として上半分視野欠損から始まっていて、さらに悪化した時点で受診。視力0.02(n.c.)、その後指数弁に。眼底所見・OCT・FA異常なし。MRIで高信号、抗SSA、SSB、AQ4増加。ステロイドパルス、その後内服、イムラン併用で1ヶ月で視野正常で視力(1.0)に。意外と予後がいい。
3,非運動性眼瞼痙攣について 岡田正喜 市立豊中病院
演題が?・・・だが、要するに眼瞼痙攣。局所のジストニアで、50歳以上の中高年に好発し、女性に多く、音楽家・スポーツ選手・画家・小説家・・・などに多い?3症例提示。いずれも白内障手術が問題なく行われたのだが、その後様々な不定愁訴が噴出。見えにくい・ごろごろする・眩しい・不快・・・・発表の中では、明確な眼瞼痙攣状態が示されてはいなかったが、この3症例は、典型的眼瞼痙攣症状の中で、運動以外の症状だけなので(眩しい・乾く・鬱陶しい・・)、非運動性眼瞼痙攣?術後不適応型眼瞼ジストニア?
日眼のガイドラインでは、①瞬目増多,眼瞼の軽度けいれん ②開瞼困難 ③羞明感(photophobia) ④眼瞼下垂(ptosis) ⑤目の不快感・異物感・眼痛 ⑥目の乾燥感 ⑦流涙(epiphora) ⑧頭痛,耳鳴,肩凝り,抑うつ,焦燥感などの自覚症状が記載されているが、この中で運動以外の症状だけの眼瞼痙攣?
※日本においては、『ベンゾ系抗不安薬』の使用が多く、若倉先生から『「ベンゾジアゼピン眼症」』という言葉も提唱されているようで、この眼瞼痙攣もその仲間?白内障手術がきっかけで、今回発表されたような感覚過敏症状を主体とする「ベンゾジアゼピン眼症は起こりうるらしい。