2017年 08月 08日
第419回 大阪眼科集談会 その3 (1040)
10、浅前房と脈絡膜剥離を伴った特発性眼窩炎症の1例 佐藤陽平 大阪医大
87歳で眼球突出・充血・眼球運動障害(左上斜筋麻痺)・・・CCF?MRIで外眼筋肥厚・SRD(+)。IOL眼だが右眼の前房が左眼より1mm浅く(3.5/2.5)、脈絡膜剥離(+)。CCFや甲状腺眼症が否定されて、特発性眼窩炎症と診断。ステロイドで改善。※上下眼静脈の圧迫によるうっ滞⇒充血・脈絡膜剥離
11,IgG4関連眼疾患と甲状腺眼症を合併した1例 前野紗代 阪大
44歳男性。両上眼瞼腫脹、やわらかい腫瘤(+)、眼球突出(-)。眼窩炎性偽腫瘍?ステロイドパルスで改善。血液検査で、IgG4↑、TRAb(-)・TSAb(-)で甲状腺眼症否定的で、IgG4関連疾患。ただその後症状に変化があり、眼瞼下垂・眼球運動障害あり、組織所見でIgG4形質細胞(-)で、血液検査でTRAb(+)・TSAb(+)。内科でもバセドウの診断。つまり、IgG4関連眼疾患の経過中に甲状腺眼症発症?
12,TS-1内服による涙道閉塞に対する涙管チューブ挿入術後のチューブ汚染の検討 滝功一郎 大阪医大
TS-1内服による涙道閉塞は多いが、TS-1内服が続いている間、チューブは抜去しにくくて、留置が長期間に及ぶ。チューブ留置後、フルメトロンと抗菌剤点眼継続しているが、2-3ヶ月で感染徴候(+)に。検出菌は、カンジダやコリネが多い。
13,昨年から今年にかけて流行している大阪における流行性角結膜炎(EKC)のアデノウイルスの型と症状 森下清文
定点になっているクリニックなので、アデノの型判定を行っている。昨年は3つのピークがあり、夏は54型ばかり、その後、10月に19・9型。12月に3型。今後も54・3・37型が主流に。※54型子供は重症化しないが、大人で重症化。37型で角膜上皮障害強くて、長引く事(+)。
特別講演
小児斜視の特徴と手術時期 横山連 大阪市立総合医療センター
大切な用事があったので、(部分)調節性内斜視の話のみで退出。
1)調節性内斜視は眼鏡のみで対応できるが、部分調節性内斜視は、手術やプリズムなどの追加治療が必要に。それにより両眼視機能向上するのだが、1/3は全く両眼視機能(-)。これはやはり治療の遅れが原因のようで、早期発見の武器として、SPOT Vision Screenerが非常に有用だと。調節麻痺点眼(-)でも、遠視のスクリーニングが容易に。是非とも3歳児健診に採用してほしい・・・
2)間欠性外斜視については、中座したので、抄録から・・
近見の立体視は正常だが、遠見の立体視の発達は遅くて11歳ぐらいから。遠見の立体視の発達は、斜視角が小さければ斜位に持ち込めて、立体視発達するはずだが、11歳ぐらいまえは、術後の戻りが大きいということもあり、手術は待機していい。早期に手術するのは、近見立体視が低下・消失した場合のみ。基本は、11歳過ぎて、遠見立体視が悪いか、斜視が維持できないケースが手術対象。