2017年 12月 10日
第421回大阪眼科集談会 その1 (1023)
第421回大阪眼科集談会 平成29年12月9日 ブリーゼプラザ小ホール
年末の集談会は、ちょっとオシャレなこのビルの中で開催されます。ブログを検索すると、毎年ボヤいていたが、やはり集談会は、若干小汚い中小企業会館の方がお似合いだ。薄暗いあの会館での、気取らないノーガードのどつきあいが懐かしい・・。
1,周辺部残存硝子体に多量のシリコーンオイルが捕獲された増殖糖尿病網膜症の1例 大須賀翔(大阪医大)
ちょっと動揺していて、しっかり聞いてなかったが、PDR(?)があって、ビト(+PEA+IOL)したが剥離再発して、ビトしてSO入れたがSO下でまた剥離。最初の剥離後のビトが不十分で、周辺部硝子体が残存していて、2回目のビトにパーフルオロカーボンを使った後にSO入れるタイミングに問題があって、StickySilicon Oilが発生・・?
※Sticky Silicon Oil ⇒ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17120010
2,慢性中心性漿液性脈絡網膜症に対する減量光線力学的療法後の光干渉断層計血管造影 楠本亜矢(大阪市大)
慢性CSC(6が月以上SRDがあり、FA/IAで異常があり、脈絡膜厚が300以上)にRFPDTしたら・・・。7眼中3眼に網膜色素上皮隆起があり、同部にCNV。よく理解できなかったが元々CNV(+)?それがRFPDT後短期間に急速に拡大?だったら元々加齢黄斑変性では?OCTAだからわかる、CNV動態?
※慢性中心性漿液性脈絡網膜症に対するreduced fluence PDTの2年成績 中村考介(群馬大) 臨床眼科(0370-5579)68巻5号Page671-676(2014.05) ⇒ここでは、高頻度(40%)にCNVが発生。
※慢性中心性漿液性脈絡網膜症の治療におけるベバシズマブ硝子体内投与と低照射エネルギー光線力学療法の比較 JJO(0021-5155)56巻6号Page608-612(2012.11) ⇒IVBとほぼ同等の成績?
3,汎網膜光凝固術で破壊される視細胞数の検討 西田健太郎(大阪大)
現実とは若干乖離がありそうな、数学的なシミュレーション。400μmのスポットサイズで、標準PRPと周辺部までの広域PRP。標準だと1222発。桿体数は推定9650万。標準PRPで16.2%減少。広域で19.8%減少。広域にしたところで、大した差はない・・?
Simulation of panretinallaser photocoagulation using geometric methods for calculating thephotocoagulation index. Nishida K, Eur J Ophthalmol. 2017 Mar10;27(2):205-209.
※視細胞を減らすのが目的なら、アーケードのすぐ外側が視細胞密度が高いので効果的。
4,種々の角膜病変を合併したアトピー性皮膚炎の患者の1例 佐藤朋子(近畿大)
4歳からアトピー性皮膚炎で、春季カタルや円錐角膜があり、30歳で、シールド潰瘍・遷延性上皮欠損があり、羊膜被覆術・・・。40歳で右眼角膜潰瘍(⇒PKP、ECCE+IOL)、左眼ヘルペス性角膜炎、角膜穿孔⇒PKP、その後樹枝状角膜炎・・・・。当然だが、アトピー性皮膚炎に関連した角結膜炎に対して、ステロイドやタクロリムスが投与されていて、免疫能は低下しているので、感染のリスクが高い。
※集談会へ行く途中、とても親しくしてもらっている友人の親族の訃報の連絡が入った。万難を排して駆け付けようとしたのだが、家族葬で行うので・・・・と言われて、怯んでしまった。勝手に親友を任じているおっさんが、家族葬に突入するのは迷惑かも・・・・・と思い直し、心の中で、手を合わせることにしました。心からご冥福をお祈りします。