2018年 05月 01日
第122回 日本眼科学会総会 その4 一般講演 緑内障 (1049)
久しぶりの日本眼科学会総会。
今回は、大阪だし、高橋寛二先生が評議員指名講演をされるので、欠席はありえないのです。と言っても、緑内障以外の話は、面白くないというか、理解出来ない確率が高くなるので、とりあえず10階の緑内障部屋へ・・
一般講演
緑内障:画像1
O1-016
前向き観察研究における原発開放隅角緑内障の乳頭出血の再発に関する検討 大久保真司 金沢大 、Svf Prospector Study Group
SVFスタデイ
3ヶ月に1回撮影した乳頭写真からDHの解析。
1)DHタイプ
- cuphemorrhage(lamina cribrosa)
- cup margin
- disc rim
- peripapillary
2)DHの部位
3)NFLDとの位置関係
※部位とNFLDとの関係が一致して、非出血期間があればDH再発と定義。
- disc rimが再発率最も高い(56.1%)
- NFLDの黄斑側が最も多い。
- 7時の部位が最も多い。
DH再発率は北澤の論文で64%。今回、定義1で65%。定義2で72%。ほぼ同様?
※このDHは、非常に有用な所見です。我々一般の開業医のところに、緑内障の症状を主訴に患者さんが来院されることは非常に稀で、結膜下出血や結膜炎、近視や飛蚊症など、全く関係のない疾患の患者さんの眼底をちらっと覗いた時に、このDHは、小さなものでも見えることが多く、スクリーニングには非常に有用なんです。また、緑内障患者さんでも、DHが片眼にだけ多発する場合や、両眼に見られる場合など、様々なケースがあり、片眼に多発しているケースは、治療強化を後押ししてくれます。Svf Prospector Study Groupは、PG単剤でフォローされているPOAG患者さんを3ヶ月に一度眼底写真をとって、36ヶ月経過観察した結果を発表されています。
O1-017
3年間の前向き観察研究における見逃されやすい乳頭出血の特徴 宇田川さち子 金沢大 、Svf Prospector Study Group
見逃されやすいDH。写真撮って、フリッカークロノスコピー法でネチネチ判定したら見つかるけど、ちらっと(倒像鏡や直像鏡)見ただけでは見逃しやすいDHとは?そりゃ、小さいとか、色が薄いとか・・・でしょうね。
※基本写真で見つけるもの・・・という中澤教授。研究目的にではそうでしょうが、一般開業医は、そんなことしてたら、大変です。ちらっと見る時に見落とさないように注意を払っています。
http://iovs.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2365668