2018年 07月 22日
第36回大阪市眼科研究会 その1 (1081)
龍王ヶ淵でみかけたトンボ
第36回大阪市眼科研究会
※医療センターのさくらホールは、大きな学会でも使えそうな立派なホールで、スライドも見やすいし、話も聴きやすいな。
1,Sagging eye syndromeに対する手術治療の試み 明石麻里 大阪市立総合医療センター
聞いたこともない疾患に対する手術の話。疾患概念そのものが、2013年の報告なので仕方ないか。今まで、開散不全・上斜筋麻痺と診断されていたり、原因不明とされていた中に紛れているらしい。saggingというのは、『たわむ・たるむ』ということ。眼窩プーリーという眼球後部の赤道部周囲をリング状に取り囲んでいる組織は、外眼筋を固定している。ここに強い加齢性変化が生じて、下方に外直筋が垂れ下がると、この疾患が発症するらしい。上外直筋結合術を行って、良好な成績・・・。MRIで探さないと診断がつかないようです。探せば意外と多いのかも・・
2,後屈困難な患者に対して、頭低位ベッドを使用し、白内障手術を施行した1例 坂井淳 大阪市大
患者は、脳挫傷・SAHが原因で頭部の後屈が困難で、通常のベッドでは手術不可能であったので、ダビンチ手術で用いる頭低位ベッドを使って(Max30±3°傾斜可能)、手術できたと。
※時々整形外科的要因で後屈困難な患者さんに遭遇するが、この手があり?
3,全身麻酔後に眼窩内骨膜下血腫を認めた1例 野間沙樹 大阪市大
25歳女性の子宮頸管縫着術後の全麻終了(抜管)時に激しい咳嗽があり、両眼眼瞼浮腫・結膜下出血・眼球突出、右眼視神経乳頭上方に出血。MRIすると、左眼窩上壁に骨膜下血腫。視力・眼圧は問題ない。血腫増大を危惧して、視神経保護目的で、ステロイドパルス3日、グリセオール400点滴も3日・・
※眼窩内静脈瘤も疑われたが否定。
※両)眼窩内圧上昇⇒左)眼窩内骨膜下血腫?チョット論文検索すると、絞頸でも生じているようなので、抜管時の激しい咳嗽で一過性の眼窩内圧上昇でもあり?いわゆるバルサルバ法による静脈圧上昇の結果の血腫?
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjast/30/1/30_9/_pdf/-char/ja
『絞頸により眼窩内骨膜下血腫を認めた 1 例』の中では、『充血性で頭蓋内圧の急激な上昇により眼窩内骨膜下の血管の破綻をきたし,前頭骨と眼窩骨膜の組織が脆弱な部分に血腫を形成することで起こる.バルサルバ法やスキューバダイビング後,縊頸後に認めた報告があるがその報告数は少なく,症状が乏しく見逃されている可能性がある.』と記載されていて、これに似ている気がするが・・