2019年 05月 14日
第48回 関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会 その1 (1141)
第48回 関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会 令和元年5月12日@加多乃講堂
※今回サボっている人多いなあ。大型連休後の疲れが出てるのでしょうが、そんな事では、宇山先生怒られるよ。
1,黄斑部の血管閉塞と強い滲出を来した若年者の網膜色素変性の1例 澤田朋代
まあ、しばしば経験するってほどではないですが、網膜色素変性症には、コーツ病様の眼底所見を呈することがある。論文検索すると沢山ヒットするし、昔同期のN先生の受け持ち患者にも一人いて、『類嚢胞黄斑浮腫とCoats病様眼底病変を合併した網膜色素変性症の1例』という論文になってます。ただ、今回の報告は、血管閉塞が主体の病変。黄斑部にSRD・出血・硬性白斑・・・。症例は20歳の男性だが、なんと8年の喫煙歴があるってことも影響していると推定。治療はリンデロンSCIで。
2,非強度近視眼に発症した黄斑円孔網膜剥離 佐藤侑紀
通常の黄斑円孔は孔があいても網膜剥離にならず、黄斑円孔網膜剥離は高度近視に起こるのが一般的。報告は、強度近視でない眼(眼軸22.94mm)に生じた黄斑円孔網膜剥離。通常の裂孔原性網膜剥離の弁状裂孔のように、黄斑円孔の辺縁には硝子体の強い癒着牽引があり、それで網膜剥離へ?。
3,若年者の高血圧性網脈絡膜症の1例 安達彩
20歳女性。褐色細胞腫(副腎髄質または副腎外傍神経節のクロム親和性細胞に由来するカテコラミン産生性神経内分泌腫瘍)があり、ノルアドレナリン産生タイプだったようで、比較的マイルドな血圧上昇。それでも本態性高血圧よりは急激・変動のありそうな高血圧があり、血管攣縮性網脈絡膜症に。出血・滲出斑・SRD・Elschnig斑・・・・。
※SRDとElschnig斑は高血圧性脈絡膜症の所見。
※急性Elschnig斑:急性期に見られる網膜深層の黄色斑、後極部を中心に散在して集合傾向がある。高血圧網膜症とともに見られる。時間が経つと、色素の集積や脱色を伴う網脈絡膜萎縮(Elschnig斑)に。