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第48回 関西医科大学眼科同窓会 春の勉強会 その6 (1146)

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若干保護色系の先輩はラフがお似合い(^o^) 伊賀市のK国系のゴルフ場にて・・


予備知識

ネット上にあった筑波大学の上野先生の学位論文正常角膜における角膜厚分布と角膜後面乱視でお勉強。

角膜の屈折力に後面の屈折力の影響が少なかった時は、あまり問題にはならなかったのだが、レーシックのように角膜前面を削ってしまうと、角膜前面の曲率から後面の曲率を推定することは不可能。また精度の高い屈折矯正手術に用いる眼内レンズやトリーリック眼内レンズ度数の正確な度数計算を行うには、できれば推定の角膜換算屈折力(keratometric powerではなく、直接角膜後面の曲率も測定したほうが、手術の精度を向上できる。

角膜換算屈折力と角膜後面屈折力の強主経線軸度の比較

  • 直乱視:全ての症例で、軸度の差は15度以内。
  • 倒乱視:一定の傾向(-)15度以内が13%30度以内が25%・・・

乱視度数は?

  • 直乱視:角膜換算屈折力と角膜後面屈折力の乱視度数よく相関。
  • 倒乱視:相関(-)、ただ軸度の差が30度以内の場合は、相関(+)

  • 角膜前面が直乱視の場合、後面は予想より強い倒乱視があり、全体として直乱視は予想より低い。
  • 角膜前面が倒乱視の場合、後面の乱視の強主経線も乱視度数もバラバラ。
  • やはり直乱視は、対応しやすいかもしれないが、倒乱視は予想外な結果になるかも・・・
  • 直乱視は、加齢とともに倒乱視化するが、後面はずっと倒乱視のまま。真の乱視は、角膜換算屈折力より倒乱視。高齢者の倒乱視は、予想より大きいことに注意すべき。

15IOLマスター700の新しい計算式-角膜後面屈折値を導入したBarrett式の成績 山岸和矢

IOLマスター700OCTが真価を発揮し始めたらしい。これでもELPやや甘い?レーシック後でなくても、IOL度数計算の精度が若干低いのは、角膜後面屈折値を測定していないから?最新兵器IOLマスター700True K)+Barret universalⅡ式の精度はいかに?今までのノモグラムで外れてしまう5%ぐらいの症例(非標準眼)がどうなるか?様々な計算式(Barret,Olsen・・・)で出た結果をスキージャンプ採点方式で(?)、術者(山岸先生)がチョイスして決定(やはり計算式を一つに決めてしまうのは若干危険?)していたが、今はほぼBarret UⅡでOK・・・らしい。

※前面乱視(高齢者は倒乱視傾向)・後面乱視(直乱視が主、前面と無関係に・・?)

※少し前まで、超音波で眼軸、ケラトメーターで角膜曲率半径を測定していた事を思うと、隔世の感があります。IOLマスター700により、眼球そのものを正確に数値化することが可能になり、当然曲率半径も前面・後面ともに正確に測定するし、眼軸にしてもOCTを駆使して完全に中心窩での測定が可能で・・・・・。

※少しは、予備知識なしで聴いている人のことも考えてほしいなあ・・・。情報量多すぎて、処理困難(泣)

16、新しい低加入度分節眼内レンズ LENTIS Comfortの術後成績 山岸和矢

山岸先生絶賛の眼内レンズ。このレンズは通常の眼内レンズ同様に保険適応なので、このIOLの満足度が高ければ、先進医療不要で、先進医療適応外の高額眼内レンズも不要?

裸眼実用視力向上を目指して、トーリックIOL、多焦点、多焦点トーリック・・・を経てLentis comfort1.5D加入の分節IOL)へ。メーカーは多焦点ではないと言っていて、Dual Monofocal Designだというが、実際は多焦点?当然多焦点の適応除外は、このIOLでも同様で、乱視1D以内、不正乱視、PE、ぶどう膜炎・・などは除外すべき。演者は、通常新発売IOLは使わないのだが、今回例外的ロケットスタート。プレート型IOLだが、特に問題ない。グレア・ハロもない・・。良好な成績。人によって異なるが、エンメ(実際は-0.2Dぐらい?)に合わせて、遠くから70cmまでにするか、0.5Dほど近視にして、全てOK? 全て計算通りの結果になる理由ではないが、患者さんは喜んでいる。笑顔が違う?551のある時的?山岸眼科アンケート調査史上最高ランク。クレア・ハロも少ない。

 ※レフ値が-0.8Dが出るのがエンメらしい。矯正視力を測る時に、レフ値に引っ張られて視力を測る傾向があるので、自覚的屈折値が若干近視よりに・・? CCCは大きめ。レンズは押し込まないでも柔らかいので自然に入っていく。PE・高度近視はCTR併用している。


by takeuchi-ganka | 2019-05-30 08:47 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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