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ジェネリック医薬品

ジェネリック医薬品
最近、ジェネリック医薬品を推奨する番組を見かけるようになりました。膨大な開発費をかけて作られた新薬も特許期間がすぎると、他の製薬会社からでも販売可能となります。かつて、ゾロ品と呼ばれ、差別的な見方をされ、あまり信頼できない薬と思っていました。
国民医療費の増加、国民健康保険、社会保険の財政が緊迫してくると、国は、薬剤費抑制の方策として、ジェネリック医薬品を推奨するようになりました。テレビ広告も行われ、テレビ番組でも取り上げられています。確かに、ジェネリック医薬品は、値段が安く、効能も同じと言われています。例えば、ニューキノロン系の合成抗菌剤の点眼の先発品と後発品を例に取りますと、
タ××ッド点眼液0.3% mL   薬価 138.4      (○天製薬株式会社)
タ×○×ン点眼液0.3% mL  薬価  62.2 後発   (東×薬品株式会社)
このように、薬価が半分以下となります。患者負担が半額なら、保険機構の負担も半額となります。全く同じものなら、後者が圧倒的に有利でしょう。でも、本当に同じなのでしょうか。少なくとも、つい最近まで、国民医療費がこんなに高騰するまでは、今ほど、ジェネリックのことを言いませんでした。
 以前、新しい緑内障点眼薬が発売され、圧倒的シェアを稼ぎつつある発売当初に、副作用の角膜上皮障害が多発したことがありました。メーカーは早速手をうち(?)、改良を加え(?)、副作用は収束しました。ただ、公表されているデータでは、この薬の内容は何も変わっていません。それでも、薬品の原末の等級とか防腐剤を含む添加剤の等級や濃度などを変えることで、副作用を抑えたのだと、多くの眼科医は信じています。このことから、学んだのですが、たとえ、我々に表示される薬物の表示が同じでも、全く同じものとは言えないのでは・・・・。私は、今でも、ゾロ品は、やはり、ゾロ品の品質レベルでしかないのではという疑問を完全に払拭することはできないのです。我々は、患者さんの安全確保の観点からも、この疑問が解決しないうちに、安易に全てをジェネリックに移行させることはできないのです。
by takeuchi-ganka | 2005-03-30 22:46 | めぐすり | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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