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シニアグラスを理解する為に2

シニアグラスを理解する為に 2、調節時間の延長

いつも、患者さんへの説明で言っていることですが、老眼の発生・進行は、オートフォーカスカメラ(今では普通のカメラ)のオートフォーカス機能低下・故障・崩壊という過程だと思います。

 オートフォーカスカメラの焦点を合わすスピードを合焦スピードと読んでいるみたいですが、この機能を持ったカメラが世に出始めたのは1980年代でしょうか。もう25年以上経ちます。カメラファンなら、1985年に出たミノルタのαー7000という機種をご存知の方も多いと思います。『ピント検出はCCDラインセンサーによる位相差検出式。ボディ内にAF駆動用モーターを内蔵し、マウント面に設けられたAFカプラーを介してピントを合わせる。α-7000の登場が一眼レフのAF化に大きな拍車をかけた。・・・』なんて説明があります。私には、チョット理解できかねますが・・このオートフォーカスとうのは、

1)パッシブ方式
 1、TTL方式
    ①コントラスト検出方式(像鮮鋭度検出方式)
    ②位相検出方式(瞳面分割方式)
 2、外光方式(最もポピュラー)
   ※三角測量と同じ原理

2)アクティブ方式
 1、スキャンニング方式
 2、ノンスキャン方式

などと、様々な方式のオートフォーカス機能があり、驚くべき進化を遂げている部門だと思います。この、1980年代にオートフォーカス機能が搭載されはじめ、25年後の現在、十分実用に耐えるレベルのオートフォーカス機能をもつに至った過程は、あたかも、人間の眼でいうと、65歳前後の老眼が、25年若返り、40歳前後の老眼状態、つまり、子供のような自由自在のオートフォーカスじゃないけれど、一応、すばやく?ピントを合わせることができる状態にまで戻ったようなものでしょうか。

 話を本筋に戻します。
 例えば、60歳で、近視の人が、近視の眼鏡をかけて、運転すると、カーナビ画面などは、ぼやけて、カーナビを全く使えない筈です。つまり、遠くにピントがあっていると、近くはもう時間をかけても全くピントが合わないのです。調節時間延長の問題は終わっているのです。
でも、30歳後半とか40歳前半は、チョット感じ方が違うのです。ピントは合うのですが、時間がかかる。疲れてくると、さらに時間がかかる。最期には、どこを見てもぼーとするって感じ。例えば、勉強会で、手元の資料を見ていて、顔を上げて、数m先のホワイトボードに目をやると、ぼーっとしている。『えっ?疲れているのかなあ・・』眼科医でさえ、最初の印象は、こんな感じで老眼と思わなかったりします。
資料によれば、遠方から手元(25cm)にまで調節するのに、28歳なら0.7-8秒。40歳になれば、2秒近くかかります。この1秒以内だったのが、2秒前後になる変化が、30歳から40歳の10年間で起こるのです。次の10年間(40歳から50歳)は全く状況が違うのですが、30歳から40歳の10年間は、調節力も勿論低下するのですが、自覚的には調節時間延長の方が、症状の主体となっているように思います。だから、老眼鏡に移行しにくいのです。ただ、この状況を辛いと感じる人には、サポートする眼鏡がありますので、いつでも相談にのりますよ。
来院お待ちしております。
Commented by takeuchi-ganka at 2006-12-17 17:51
最近のデジカメの合焦スピードは、0.5秒以下。瞬間的にピントがあう領域に近づきつつあるようです。
by takeuchi-ganka | 2006-12-15 16:05 | 眼鏡 | Comments(1)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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