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小さな眼科クリニック@城北公園(竹内眼科医院)

タグ:未熟児網膜症

  • 第61回日本臨床眼科学会-6
    [ 2007-10-21 15:46 ]
  • 未熟児網膜症
    [ 2006-08-03 11:28 ]

最終日は、何故か、最初からルームEにいました。

インストラクションコース 未熟児網膜症アプデート 

久しぶりに未熟児網膜症の勉強です。勤務医時代は、未熟児の眼底を見る機会がありましたが、担当したことはないので、最も疎遠な分野です。

1、未熟児網膜症 : 母子保健センター 初川先生
05年の全国盲学校の原因疾患をみると、いまだに未熟児網膜症がトップなのです。また、85年頃には、激減?していた新規発症が、このところ増加しているのです。未熟児網膜症医療の後退というよりは、極小未熟児の生存率向上が原因でしょうか・・・。

国際分類(と厚生省分類との関係)
Stage 1 demarcation line 厚生省2期
Stage 2 ridge            厚生省2期
Stage 3 extraretinal proliferation    
※硝子体への立ち上がり。網膜光凝固を行う時期。
      Mild・Moderate・Severe     厚生省3期初期・中期・後期
Stage 4 subtotal RD
   A(黄斑部含まない)・B(黄斑部含む)  厚生省4期
   ※失明するかどうかの分岐点
Stage 5 total RD           厚生省5期

※Plus disease,
※aggressive posterior ROP(AP-ROP) Ⅱ型網膜症

※担当医に対する負担が大きい分野です。眼底検査をしていて、Stage2になれば、頻回に検査し、ridge を血管の乗り越え、立ち上がってくるようになると、いつでも、光凝固できる準備をしながら、毎日のように検査を行い、光凝固するタイミングを間違わないようにしないといけない。


2、未熟児網膜症(ROP)の診察と治療  旭中央病院 稲用先生

Ⅰ ROPの診察
   1)診察対象
       出生体重1500~2500g以下
       CRYO-ROP Studyでは、1300g以下
      ※厳密な基準はないようです。
   2)診察開始時期:生後3週(在胎26週見未満なら29週目から)
   3)散瞳 :通常ミドリンP、Caputo点眼液(ネオシネ:ミドリンM:サイプレ=1:2:1)
4)検査機器:双眼倒像鏡+レンズ(18~30D)

Ⅱ ROPの分類
   厚生省分類(1983)、国際分類(2005改訂)
   ※治療基準に普遍性があるかどうか、結構問題がありそうです。

Ⅲ ROPの治療基準
1)日本の基準
 Ⅰ型:厚生省分類 Stage3の中期に入って更に進行の傾向を示し、視神経乳頭からの動脈の蛇行、静脈の怒張が著明な場合。
  ※厚生省分類 Stage3初期の行うことも・・・
2)米国他施設共同研究による基準
①Threshold ROPだったが、ZoneⅠdeseaseの治療成績悪いので
②Prethreshold ROPへ
  1)ZoneⅠ
  2)ZoneⅡ、stage2 ROP with plus disease
  3)ZoneⅡ、stage3 ROP without plus disease
  4)ZoneⅡ、stage3 ROP with plus disease
※但し、線維血増殖組織が連続して5時間未満、累積して8時間未満
  
※新しい治療基準
  TypeⅠROP:診断後、直ちに治療
      ZoneⅠ、any stage ROP with plus disease
      ZoneⅠ、stage3 ROP without plus disease
      ZoneⅡ、stage2 or 3 ROP with plus disease
TypeⅡROP:さらに観察を続け、TypeⅠか、Threshold ROPに進行すれば治療する。
      ZoneⅠ、stage1or 2 ROP without plus disease
ZoneⅡ、stage3 ROP without plus disease


Ⅳ ROPの治療方法
1、冷凍凝固
2、光凝固
  ①双眼倒像観察下
   ・保育器内(この方が、安全だし、やりやすい。介助者に保護眼鏡は必要。)
   ・保育器外
  ②細隙灯顕微鏡観察下
※通常は、双眼倒像観察下での光凝固でしょうか。


3、超低出生体重児の未熟児網膜症 斉藤先生
 この演者は、倒像レンズを用いた側臥位細隙灯顕微鏡下に網膜光凝固しているようです。少し工夫が必要ですが、セッティングがうまくいけば、通常の網膜光凝固凝固と同様に行うことができるようです。

適応
  ・ type 1 retinopathy of prematurity (ROP)
  ・ pre-threshold retinopathy
  ・ aggressive posterior ROP ( AP-ROP )

提示された症例は、
1、27W+5d、1048g、2、27w+5d, 1029g、3、25w+6d, 802g、4、24w+0d, 588g
※最後の症例などは、網膜血管の発達は極端に悪く、乳頭黄斑の3分の1ぐらいしか伸びていない症例でした。完全失明を食い止めるのが精一杯でしょう。医療の進歩が極小未熟児の生存率を上げると、このような重症ROPの発症は、避けられないのでしょうか。

by takeuchi-ganka | 2007-10-21 15:46 | 学会報告 | Comments(0)

未熟児網膜症

 実は、今回のテーマの未熟児網膜症というのも、以前MBSニュースワイド・アングルの「教えてドクター・火曜相談室」で話した内容ですが、この疾患に関しては、非常に臨床経験が乏しいのですが・・・
 大学時代、この未熟児網膜症を担当していた医師は身近にいましたが、非常に大変そうでした。大学病院にいると未熟児は、どんどん入院してくる。そして、小児科の未熟児管理能力は、格段の進歩を遂げ、かつて、殆ど亡くなっていたであろう、極小未熟児(殆ど胎児のよう・・・)まで生存させます。となると、やはり、網膜症は発症するのです。悪化してくると、担当医は、頻繁にNICUへ通う必要がある。土日も、夏休みも、盆も正月もないのです。悪化してきたら、待ったなし。冷凍凝固や網膜レーザー光凝固術のタイミングについての悩みも深そうでした。担当医は、1人か2人で、未熟児の長い将来の視機能を背負うのは、大変です。私は、そんな大変な未熟児外来の人たちを横目で見ていただけですが・・・

まず、「未熟児網膜症」ってどんな病気?
簡単に言うと、予定より早く生まれてしまった未熟児の網膜血管の発育は不十分で、血管が周辺部(一番端まで)伸びていない。すると、血管が届いていない、血管がない部分ができてしまい、生後、この部位が、腫れたり、ここに血管が新しく生えたり、出血したり、増殖組織ができたりします。網膜剥離が起こることもあります。このような状態を未熟児網膜症といいます。
 この病気は、生まれた時の体重が1250g以下、(在胎週数)胎児がお母さんのおなかの中にいる期間が32周以下の場合、特に危険と言われています。また、タイプに二つあって
 Ⅰ型と呼ばれるゆっくり進行するタイプは、殆どが自然治癒。進行してもレーザー光凝固や冷凍凝固で進行が止まることが殆ど。
  Ⅱ型と呼ばれる進行の早いタイプは、このような治療をしても進行が止まらないことがあり、その場合手術が必要ですが、大多数は視力障害が残る。

未熟児網膜症であったが為に緑内障を起こすということはあるのでしょうか?
(偶々、リスナーからのはがきでこの手の質問があった為、なぜか、未熟児網膜症と緑内障についての話になります・・・)
 一般的に未熟児網膜症と緑内障は関係無い。
  重症の進行した未熟児網膜症で、眼の中の水晶体の後ろに増殖組織が発生し、それにより閉塞隅角緑内障が発症する場合もある(この場合、通常既に失明している)。
   また、未熟児網膜症の治療後、眼球の発育が悪く、その割に水晶体が大きいと、急性の閉塞隅角緑内障が起こる場合もあるが、珍しい。
   いずれにしても、一般的には、未熟児網膜症と緑内障はあまり関係がありませんが、このような特殊な緑内障を引き起こすことは、知られています。

閉塞隅角緑内障というのは?
緑内障は、眼が硬くなって、これを眼圧が上がるといいますが、そのために視神経が痛んでしまう病気です。眼圧が上がる原因によって分類されていて、眼球の中の水の出口である隅角という場所が、閉じてしまったために眼圧が上がるタイプを閉塞隅角緑内障という。
急性の閉塞隅角緑内障は、突然発症して、すぐ手術をしなければ、短期間に失明することもある。
  もしこの方が未熟児網膜症に関連した緑内障であるとすれば、先ほど述べた2種類のタイプが考えられますが、珍しいケースだと思います

眼圧が上がることによって、眼が痛くなるというのは?
  日本人の平均眼圧は、14~15。
  閉塞隅角緑内障というのは、この眼圧が40とか60にまで上昇することがあり、この場合は、当然眼も頭も痛くなるし、痛いから困るというより、すぐ治療しないと失明する緊急事態です。
  このような場合は特別で、通常14~15の眼圧の人が20になっても25になっても、自覚症状は全く無いのが普通。人によっては敏感に感じられる方もおられるのかもしれませんが・・・。

水泳はやはりだめなのでしょうか?
緑内障だけで水泳禁止はありえない。
   あるとすれば、トラベクレクトミーを代表とする濾過手術=眼球に穴を開けてそこから水を眼球の外へ導く通路を造る手術、が行なわれた後、黒目の隣に水の出口にあたる部分が水ぶくれのようになり、これは非常に薄くて破れやすい。これが破れて感染を起こして失明するケースが多いので、このような方は水泳を禁止します。  





by takeuchi-ganka | 2006-08-03 11:28 | その他 | Comments(2)