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たけしの本当は怖い家庭の医学 その2 (353)

次は、遠視の問題です。もう一度、3つのステップを紹介します。

①眼を内側に寄せて(輻湊) 
②ピントを合わせ(調節) 
③頭の中でそれをひとつにする(融像)。 

 次の問題は、この中のステップ②、調節です。番組で取り上げていたのは、隠れ遠視。我々が潜伏遠視と呼んでいるものです。『遠視は、遠くが良く見える眼』と誤解している人が非常に多いと思うのですが、それはあくまで、『遠視度数 < 調節力』の場合だけです。遠視度数と調節力が近いと疲れやすいですし、調節力の方が小さくなると見えにくくなります。

たけしの本当は怖い家庭の医学 その2 (353)_f0088231_16475713.jpg この図について説明しますと、aは、遠視眼が調節していない状態で、網膜に焦点を結ばず、はっきりともの見る事ができません。b は、調節して網膜に焦点があっている状態で、はっきりと見えています。c は、bの調節が足りない部分を眼鏡で補って、網膜に焦点があっている場合です。隠れ遠視(潜伏遠視)というのは、bの状態です。この状態は、遠くを見ている場合であっても、調節(水晶体の厚みを増す)が必要で、近くを見るには更に強い調節が必要なのです。







ここで問題にしたいのが、年齢と調節力の関係です。

10歳12D、 20歳9D、 30歳7D、 40歳4D、 45歳3D、 50歳2D、 60歳1D

このように調節力は若い時は非常に大きいですが、年齢とともに急激に減少します。ただ、普通は、あり余る調節力の為、40歳ぐらいまでは、その減少に気付くことはないでしょうか・・・。ここでゲストの年齢構成を見てみますと、

A 調節力 8D  :白鵬24歳、矢口真理 26歳
B 調節力 5-6D :フットボール岩尾 33歳、フットボール後藤 34歳
C 調節力 4D  :杉本彩 40歳
D 調節力 3D  :YOU 45歳

と、4群に分ける事ができるでしょうか。ここから話が少しだけ難しくなりますが、もし、隠れ遠視(潜伏遠視)度数が1Dあったとすれば、そこで調節力は1D消費されます。ゲストが全員隠れ遠視1Dだとすると、残された調節力は、

  A群 7D、B群 4-5D、C群 3D、D群 2D

となります。ところで、読書やパソコン作業の距離が約30cmだとすると、約3Dの調節力が必要ですので、読書・パソコン作業中は更に3D消費されます。すると、残された調節力は、
A群  4D、B群  1-2D、C群  0D、D群  -1D 
となります。すると、

A群の人は、通常なんともない・・・。
B群の人は、疲れている時や仕事時間が長くなると、辛くなる。
C群の人は、少し疲れると霞んで見にくい・・・。
D群の人は、ぼやけてはっきり見る事が出来ない・・・

となりそうです。
 つまり、隠れ遠視(潜伏遠視)度数という要因に、年齢、仕事の種類・量などのいくつかの要因が重なれば、強い眼精疲労を引き起こす可能性があるのです。ただ、も個人差が大きく、同じ条件でも何とも感じない人から強い眼精疲労症状を訴える方まで様々です。訴えが強い場合は、調節力を補う眼鏡が必要ということになります。

 つまり、隠れ斜視が原因の筋性眼精疲労の場合は、調節性輻湊を補うプリズム眼鏡を、隠れ遠視が原因の調節性眼精疲労の場合は、調節力を補う眼鏡が、症状を軽減させてくれる可能性があります。パソコン作業従事者に限らず、眼が疲れやすい方は、一度眼科を受診されては如何でしょう・・。
by takeuchi-ganka | 2009-05-07 16:49 | 眼の疲れ | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka