再びOCTについて その2 (366)

OCTの歴史はまだまだ浅いです。
90年 山形大 丹野らがOCT原理を提案
※丹野氏が関連しているEG-SCANNERは、現在もタイムドメインのまま?
91年 MITのFujimoto JGが画像化。
Optical coherence tomography of the human retina. Hee MR, Izatt JA, Swanson EA, Huang D, Schuman JS, Lin CP, Puliafito CA, Fujimoto JG. Arch Ophthalmol. 1995 Mar;113(3):325-32.
96年 OCT2000(ハンフリー⇒ツアイス)
02年 OCT3000(ツアイス)
04年 OCT-Ophthalmoscope(ニデック)
06年 3D-OCT(世界初のSD-OCT)(トプコン)
その後、一気に広がりをみせ、前回記載したように数多くのOCTがしのぎを削っています。
再びOCTについて その2 (366)_f0088231_1663857.jpg

 この図は、上記の1995年のFujimoto JGらの論文にのっているOCT写真ですが、分解能10μmというものの、まだまだかなり粗いです。このノイズの中に埋もれた真の画像を取り出す為に、様々な工夫がされているようです。このような古いOCT画像で目立っているのは、スペックルノイズと呼ばれるブツブツのノイズです。このノイズを取り除く手段が、加算平均処理で、同じ部位のBスキャン画像を何枚も重ねると、ノイズが徐々に消えて、真の画像が見えてくるそうです。一枚の画像は、実像+虚像で出来ていて、何枚も重ねるうちに虚像が消えて、実像だけが浮かび上がってくる。この処理の為には、全く同じ部位の画像を沢山必要です。その為には、高速で撮影する必要があります。OCTは、TDからSDになってその速度は約100倍になりました。それでも、3次元撮影となれば数秒はかかるようで、その間の固視微動が問題となります。スペクトラリスは、TruTrack™ eye trackingという3次元に追尾する機能を有しており、現時点では、一歩抜きんでた画質を獲得しているようです。
 分解能決定する要因の詳細は、難しすぎて理解できませんが、光源の波長帯域と密接に関連しているようで、広い波長帯域であるほど分解能は高くなるようです。オプトビュー、シラス、トプコンは、波長840nm幅45-50nmで、深さ分解能5μm。スペクトラリス、コペルニクスについては、わかりませんが、現時点では、このあたりは、機種による差は大してないのかもしれません。現在主流のSLDの波長幅は50nm(つまり0.05μm)ですが、数μmの光源も開発されているようで、幅が100倍位広がれば、次元の全く違う分解能が拝めるかも・・・。
 ここまで述べてきたのは、Z方向の分解能で、現在3-5μmに到達しましたが、XY方向の分解能は相変わらず、20μm程度です。これは、瞳孔径が大きければ、XY分解能は高くなるのだそうですが、大きくなると(2mm以上)収差が大きくなって、その影響で、分解能が低下してしまう。そこで、その収差を光学的に消し去る補償光学という分野があるようです。どうやら天体観測時の大気のゆらぎを補正し、明瞭な天体観測を行う為に生まれた技術のようで、これを眼底の観察に応用。波面センサーなどで、角膜・水晶体の収差を計測して補正するのでしょうが、詳細は知りません。この技術が、まず眼底カメラに応用され(AOカメラ)、ついで、SLOに応用され(AOSLO)、そしてOCTにも応用されつつある?AO-OCTのXY分解能は2μmと言われており、ここまでくると細胞ひとつひとつが見えてくる?いった何処まで行くのでしょう。眼底撮影なんて生易しいものじゃない。ちょっと、視細胞を見てみましょうね・・・。じゃあ次は、神経節細胞を・・・。生体網膜構成神経細胞検査装置?
by takeuchi-ganka | 2009-06-09 16:11 | その他 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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