眼科に関するQ&A その3(めばちこ) (369)

Qその3 『めばちこは、いつ頃治りますか。』

~ものもらいMAP~
※このマップにあるように、麦粒腫というのは、全国で様々な名前で呼ばれています。私は、小学校2年の時に京都から大阪へ引っ越しましたが、この短い距離でさえ、『めいぼ』から『めばちこ』へと変化しました。大阪では、『めばちこ』が圧倒的主流ですが、東京では、圧倒的に『ものもらい』のようです。その他、北海道は『めっぱ』、名古屋は『めんぼ』、熊本が『おひめさん』・・・・など、様々で、地方から出てこられた学生さんに、『めばちこ』も『ものもらい』も通じなかった事さえありました。

 この通称『めばちこ』は、麦粒腫と言います。これは、2種類あって、睫毛の根元にある皮脂腺や汗腺の化膿性炎症を外麦粒腫、マイボーム腺の化膿性炎症を内麦粒腫と言います。発赤・腫脹し、やがて膿が貯留し、最後に自潰して膿が外へ出てきます。外麦粒腫は皮膚が破れて、内麦粒腫は結膜が破れるのが普通です。 
ここからの見解は、あくまで個人的な印象ですが、
①この最初の段階、まだ明らかな膿貯留が生じていない初期の段階であれば、抗菌剤の内服・点眼・軟膏(私は内服の使用頻度が高いですが・・・)で、抑え込む事が可能な事が多いと思います。
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②ただ、既に膿貯留が始まっていると、なかなか抗菌剤投与で押えこむ事が困難となります。この場合、膿貯留が生じている部位が皮膚表面に近いか、結膜表面に近い場合は、膿点として見えてきた段階で、穿刺して排膿すれば、経過を短縮することが可能となります。
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③ただ、この膿点が確認できず、眼瞼全体が強く発赤・腫脹しているような場合は、少し長引くこともあります。膿点が見えないのに、深い切開を加えると眼瞼蜂巣炎を生じても困るので、手は出せません。
 患者さんによっては、切ってほしくない人、早く切って治してほしい人とおられますが、私の考えでは、最初は薬だけですし、途中からは膿点が見えれば、切開・排膿しますし、そうでなければ、再び薬だけとなったりで、治療法は様々なのです。つまり、どのくらいで治るのかと聞かれた場合、①なら数日、②なら排膿後数日?③なら、正確な予想は困難でしょうか・・。
 実は、ここで話は終わらないのです。実は、患者さんは、眼瞼に違和感を覚えたら、何でも『めばちこ』が出来たといって来られる事が多く、本当にめばちこ(麦粒腫)のこともあれば、霰粒腫、マイボーム腺梗塞、眼瞼縁炎、眼角眼瞼炎、眼瞼ヘルペス、異常なし・・・など様々です。ただ、患者さんは、区別がつかないので、薬店で『ものもらい(めばちこ)』用のメグスリを購入されることも多いようです。実は、この薬、本当に『ものもらい』だったとしても、およそ有効とは考えにくいしろもの(個人的印象)で、放置して治るもの以外には無効? 結局少し時期が遅れて眼科へ来られる事になります。どうして、売ってるのでしょうね・・・。前述のように、麦粒腫も①の時期に抗菌剤の内服・点眼を併用すれば、治癒へ向かうのに、時期が少し遅れると②や③の経過となることもあります。
 更に、話を複雑にしますが、この『めばちこ』に似た、実は全く異なる霰粒腫という疾患があります。これは、マイボーム腺内にできる無痛性の腫瘤です。通常、『めばちこ』とは全く異なるのですが、その初期に少し発赤・腫脹することもあり、また経過中に、急に発赤・腫脹を来すこともあります。そうなると、『めばちこ』との鑑別が難しくなりますし、特に急性霰粒腫と呼ばれるような、一部に化膿性炎症を伴った場合、一部に麦粒腫ができたといってもいい状態です。この場合は、当然ながら先ず麦粒腫として対応します。切開排膿することだってあります。ただ、気をつけるべきは、急性炎症が消退しても、肉芽腫が残る訳で、当然この部分は、手術して摘出しなければ治りません。
 つまり、所謂『めばちこ』として来られた患者さんに、いつ頃治りますかと聞かれて、8-9割方は推定可能でしょうが、1-2割は、若干予想外の経過をたどるのではないでしょうか。こんな場合、信頼を失ってしまうのかもしれません。気をつけないと・・・・
Commented by あい at 2009-06-22 14:51 x
はじめまして。チモプトールとデタントールを1日2回、キサラタンを夜1回、トルソプトを1日3回点眼しています。去年までは1日10時間程度コンタクト装着しても平気でしたが、最近は3~4時間でもしんどくなります。痛いとか眼が充血するのではなく、とにかくコンタクトがしんどくて、はずしたくなります。4剤点しても眼圧は低い時で17。目標は15以下といわれますが。コンタクトの違和感は目薬のせいでしょうか。
Commented by takeuchi-ganka at 2009-06-23 12:32
年齢、緑内障の重症度はわかりませんが、4剤使って、17以上というのは、なかなか厳しい数字ですね。その上、コンタクトレンズ装用ですか。年齢・屈折異常度数、コンタクトレンズ度数など全て不明ですので、答えにくいですが、このような状態で快適にコンタクトレンズ装用を継続するのは難しいかもしれません。
by takeuchi-ganka | 2009-06-21 10:04 | Q&A | Comments(2)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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