クラミジア感染 その2:クラミジア結膜炎(384)

 トラコーマは昭和50年代には撲滅されたようなのですが、これで、Chlamydia trachomatisが消えたのかと言えば、そうではなく、やがてアメリカで性病の原因菌として登場することになります。現在、非淋菌性尿道炎の原因の約50%がChlamydia trachomatisだそうです。女性の場合不妊症の原因になり、母子感染で子供に結膜炎・肺炎を引き起こすこともあります。気がつけば、クラミジアは、トラコーマから性感染症(STD)の代表的存在となってしまいました。
 現在見られる、クラミジア結膜炎はSTDという位置づけです。ただ、我々開業している眼科医にとって、結膜炎患者さんは非常に多く、そのすべての人にSTDを疑う訳にもいかず、ウイルス性結膜炎、細菌性結膜炎と診断しているものの中に、クラミジア性結膜炎が紛れている可能性を完全には否定できません。勿論、膿性眼脂があり、円蓋部に大型の濾胞(昔の顆粒のこと?)のある結膜炎、上輪部浸潤、パンヌス、上皮下混濁、加えて耳前リンパ節腫脹があればクラミジア結膜炎を強く疑うべきなのでしょうが、そんな典型例ばかりじゃないでしょうし、なかなか眼科でSTDの確定診断は難しいです。もし結膜炎だけなら、クラミジアであっても、かつてトラコーマが撲滅されたように、テトラサイクリン系・マクロライド系抗生物質が有効でしょうし、ニューキノロン点眼も有効だと思います。ただ、どうも結膜炎のみということは稀なようで、殆どの場合、非淋菌性尿道炎に代表されるような性器クラミジアを伴っており、こちらも同時に治療しないことには治りません。
先日、ネット検索していたら、東京の泌尿器科開業医のブログを見つけ、性器クラミジアに結膜炎をともなっている患者さんの記事が紹介され、眼科では「はやり目」と言われたり、クラビット点眼を処方されたりしていたそうです。性器クラミジアは、ジスロマック内服で治癒へ向かったようですが、この部分は眼科医では対応不可能です。患者さんも、眼科で性器に関連した愁訴を訴える事も少ないでしょうから、やはり見過ごされている可能性は少なくない・・・? 性器クラミジアが増えている異常、結膜炎も増えている筈。たぶん、教科書に載っているような典型例でないものも多い筈。十分注意して、濾胞性結膜炎に対処したいと思います。先日、スリーサムで、STD以外のものの存在が指摘されていましたが、それぐらい多いということかもしれません・・・。
by takeuchi-ganka | 2009-07-30 09:45 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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