網膜剥離と言われたら・・・・ (401)
2009年 10月 14日

普通の網膜剥離(裂孔原性網膜剥離)には、若年者のものと、中高年のものとがあります。いずれにしても、網膜剥離というのは、網膜に発生した物理的な欠損部を通って、網膜の裏側に水(液化した硝子体)が回り込み、網膜が剥離する状態です。通常、一部でも網膜が剥離すれば、裂孔閉鎖が行われない限り、網膜剥離は進行し続けます。黄斑部網膜が剥離すれば視力が失われ、全て剥離すれば真っ暗になります・・・・怖い病気?のようですが、通常の網膜剥離は、よほどその発見が遅くなければ、ほぼ100%治癒します。ただ、視力が戻るかどうかは、別問題ですが。
網膜に欠損部ができるという曖昧な言い方をしましたが、一般的なものとしては、
①網膜格子状変性巣内にできた委縮性円孔
②網膜裂孔(写真2)

この二通りです。
若い人の網膜剥離の原因が主として①で、中高年の網膜剥離は主として②です。①にしても②にしても、欠損部はあるものの、網膜が剥離していなければ、網膜光凝固治療の対象になりますが、網膜剥離になっていれば、通常は、網膜光凝固の対象ではなく、観血的手術の対象となります。
この網膜剥離にならないようにする為にはどうすればいいでしょうか。
①が原因の網膜剥離は、通常無症状なので、剥離が進行して視力・視野に異常を来さなければ発見されません。従って、予防的手段はなく、近視が強ければ、眼底検査を受けるぐらいしかないでしょう・・・。ただ、この網膜剥離は徐々にしか進行しないので、視野欠損があるけれど、何とか視力が低下する前に発見できれば、視力を維持することは可能です。(写真3)

②が原因の場合ですが、網膜裂孔の原因は、後部硝子体剥離(PVD)と呼ばれる加齢性変化が原因で、このPVDが、飛蚊症(黒いものが見える)、光視症(光が走る・・)などの症状を伴えば、それを契機に受診し、裂孔はあるものの、剥離前に発見可能となり、網膜光凝固によって、その進行を阻止することが可能です。大学病院にいた頃は、剥離を山ほどみましたが、開業してからは、剥離になる前の裂孔を見る機会が増えました。
このような普通の網膜剥離と異なり、アトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離、外傷による巨大裂孔網膜剥離、糖尿病網膜症が原因の牽引性網膜剥離など特殊な場合は、それほど単純な話ではすみません。
網膜剥離と言われたら、基本的には入院して手術を受ける必要があります。若い人の場合は今でもバックリング手術でしょうが、中高年の場合は、ほぼ硝子体手術でしょうか。レーザーですむのは、網膜剥離になる手前の状態だけです。ただ、普通の網膜剥離は、適切な治療を受ければ、それほど怖い存在ではない?

