近視治療について

治らない近視を理解できない人がいる。そこにつけ込む人達がいる。最近、近視の進行を防ぐことが可能かどうかを調べる大規模スタデイが相次いだ。大規模なスタデイで、科学的根拠を提示する条件を備えた立派なスタデイである。もっとも信頼性のあるスタデイは、COMETと呼ばれている。これにより、累進屈折眼鏡、いわゆる遠近両用メガネを何年間もかけさせても、近視進行抑制効果は、やっと、統計学的に僅かに差がでる程度であった。つまり、理論的に理想的な近視進行予防の方法を用いても、その効果は、ごく僅かなのである。ましてや、一旦進行した近視は、その殆どが軸性近視なので、これを治すなんてのは、180cmの人を150cmに戻そうとしているようなものである。にもかかわらず、多くの怪しげな近視治療と呼ばれるものが存在している。世界中の研究者が束になっても、ほんの僅かだけ近視進行抑制できるかどうかというのが今の医学レベルなのに、怪しげな商売人たちは、視力が回復し、その屈折異常度数までも改善すると、平気で宣伝している。マスメディアを上手く操作し、一介の眼科医の意見より、遥に強力である。

 近視が治ると信じて努力する人達がいる。そこにつけ込む人達がいる。困ったものだ。確かに、近視に屈折性近視と軸性近視があり、屈折性近視のある部分は、回復可能なのであるが、それには、正しい治療が必要で、怪しげな努力は不要である。回復不可能な部分に対する怪しげな努力は時間とお金の無駄以外の何者でもない。
by takeuchi-ganka | 2006-03-14 13:12 | 近視・遠視 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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