視野検査について (420)

 たまには、当院の検査機器の宣伝でもしておきます。と言っても、ありふれた検査機器ですが・・・

 緑内障の経過観察を、HRT、GDx、そしてOCTなど様々なハイテク機器が代行しようとしていますが、まだまだ視野検査が基本と考えています。実際に患者さんがどの程度見えているのか。どの部分が見えないのか。それは進行しているのか。その速度はどの程度なのか・・・などを知ることが緑内障診療の基本になります。現在視野検査の世界標準となっているは、ハンフリーフィールドアナライザー(HFA)です。当然、当院の視野検査機器もHFAです。私が関西医大眼科同窓会で、『ハンフリーフィールドアナライザーの使用経験』を話したのは、1988年5月ですから、あれからもう20年以上経過しました。当初から様々な測定プログラムを有していて、スクリーング用プログラム/閾値検査用の全点閾値/自動診断テストやカスタムテスト/色視野などがありました。

緑内障用のスクリーニングプログラム:アーマリー全視野(3段階測定)
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ただ、緑内障の経過観察としては、30-2や24-2のプログラムが標準でした。ただ、30-2を全点閾値で行うと、時間もかかり、信頼性の高いデータが得にくいという欠点もあり、やがてFastPac™という少し患者さんの負担の軽いプログラムが開発されましたが、全点閾値に比べると、そのデータの信頼性はやや劣るという印象でした。この時代が結構長かったと思いますが、その後、SITAプログラム(the Swedish Interactive Threshold Algorithm program)が開発されました。検査時間を短縮しつつ、測定精度・信頼性が向上するというものです。このSITAにはStandard と Fastがあり、前者は全点閾値の、後者はFastPacの約半分の検査時間となりました。

視野データ(30-2)
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 このプログラムの改善と平行して、得られた視野データが蓄積すると、その経時的変化を統計解析するソフト(STATPAC)が開発されました。これにより、一回の検査結果の解析(イベント解析)だけでなく、視野変化に対する解析(トレンド解析)も行われるようになりました。様々な解析ができますが、一番有用なのは、MDスロープで、視野結果を代表する数値MDの経時的変化を線形回帰解析し、右肩下がり(悪化)かそうでないか(不変)を判断してくれます。

 やがてSTATPACは進化し、STATPAC2となり、緑内障性視野変化確率分析が加わりました。測定点毎に、安定した緑内障患者(?)と比較して、悪化したかどうかの判断を自動でしてくれます。MDスロープの線形回帰分析も改良され、学習効果に対する配慮が加わりました。更には、緑内障半視野テストが加わりました。これは、測定点を上下に分けて、それぞれ5つのゾーンに分けて、上下の対応するゾーンを比較し、上下に差がないかどうかを判定します。

 その後、STATPACは更に進化を遂げ、Glaucoma Progression Analysis (GPA : 緑内障視野進行解析)が加わりました。設定したベースライン視野から一定の変動幅以上の変化があった場合、測定点毎に視野進行確率プロットで表示されます。また経過を解析した結果、進行の可能性あり、進行の傾向ありなどとメッセージが出されます。
 そして、もうどこまで進化(変更?)するのって感じですが、この緑内障性視野変化解析(Guided Progression Analysis™(GPA) )が更に新しくなりました。まず、VFI (Visual Field Index)です。今まで、視野検査を代表する数字はMDでしたが、これだと、中心視野の障害が強いものも、そうでないものも、MDが同じということがあり、現実の重症度を反映していないことが多かったのですが、このVFIは、その点を考慮し、中心視野に重みずけを行って、%表示してくれます。MDが0から最悪 -30dB程度なので、30段階表示ですが、VFIは100~0%の100段階表示です。VFIのトレンド解析が行われ、ある程度検査が蓄積すれば、1年あたりのVFI下降率や3-5年のVFI予測グラフを示したり、VFIバーを使って、現在のVFIと将来(最長5年)のVFIの予想値が示されます。この新しいGPAのVFIとVFIスロープ、そして将来予測。もうこれで十分でしょう。

新しいGPAの結果です。まだ検査蓄積が不十分なケースですが・・・
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by takeuchi-ganka | 2009-12-24 17:48 | 緑内障 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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