視野検査について その2 (421)
2009年 12月 29日
加えて当院では、ビーラインという会社の視野解析ソフト:HfaFilesを導入しています。 まだ大学にいたとき、患者さんの視野データを縮小コピーしてカルテに貼り付けて、ぐっと睨んで判断するという超アナログスタイルでしたが、このソフトは、ハンフリーデータを縦横無尽に活用可能となっています。折角患者さんに苦労して頂いて得られた視野データですから、上から下から裏から表から、あらゆる角度から眺めて、判断しなければいけません。ただ、視野データをパソコン画面上に並べるだけでも意味のあることですが、そのデータから得られる指標:PSD、MD、そして上下視野それぞれのTDなどをグラフ表示することで、視野の大まかな傾向を把握できます。その他にも、下記の6種類の評価方法が用意されています。個人的には③をよく利用しますが、各測定点について悪化の有無を判定してくれます。
①Humphrey視野における視野異常の判定基準
Anderson DR, Patella VM : 1999
②Humphrey視野における視野欠損の程度分類
Anderson DR, Patella VM : 1999
③CNTGS:Collaborative Normal Tension Glaucoma Study
④AGIS:The Advanced Glaucoma Intervention Study
⑤CIGTS:The Collaborative Initial Glaucoma Treatment Study
⑥Glaucoma Staging System
Richard P.Mills, et al. AJO 2006;141:24-30
1)1回の視野データの表示
実測閾値、グレイスケール、トータル偏差、パターン偏差に加え、MD、PSDの視野指数、そしてGPAによる悪化の有無の判定も可能なのです。

2)グレイスケールの表示
流石にこれだけ長期間のデータを並べれば、その経過は一目瞭然です。

3)視野指数のグラフ表示
PSD,MD、そして視野上下別のTDのグラフ表示です。新しいバージョンでは、これにVFIのグラフも加わります。これが一番有用なのかもしれません。

4)CNTGS:Collaborative Normal Tension Glaucoma Study
※実測閾値で隣接した2つ以上の点、または固視点に隣接する4点のうち少なくとも1点がベースラインに比べ少なくとも10dBの低下したものを視野進行と定義。
※各測定点毎の進行の有無を知るのに便利です。
