色覚異常 その1 (438)
2010年 03月 25日


左が元の図、右が同じ図の先天赤緑異常(第二異常)のシュミレーション画像
この異常という言葉に抵抗があるかもわかりませんが、今回はこの慣れ親しんだ言葉で話しを進めます。色覚異常といっても、テーマは先天色覚異常です。眼球の一番奥には、網膜があり、その感覚網膜を構成する最も奥にある細胞が視細胞です。網膜に光が届いた時に最初にそれを受け止める細胞なので、photoreceptor と呼ばれています。この細胞には錐体と杆体があり、視力や色覚に関わっているのは錐体細胞です。この錐体細胞には、赤を感じる赤錐体、緑を感じる緑錐体、青を感じる青錐体の3種類があります。錐体細胞外節に発現する視物質の異常(視物質を規定する遺伝子の異常)が色覚異常の原因となります。
異常3色型/2色型色覚に其々第一色弱/色盲、第二色弱・色盲、第三色弱・色盲
1色型色覚(全色盲)
などがあります。なら、多種多様な色覚異常があるのかと言えば、そうでもなく、その殆どは先天赤緑異常で、他の異常は非常に稀です。従って、通常、先天色覚異常と言えば、先天赤緑異常と考えていいと思います。
その頻度ですが、黄色人男性の約5%(20人に1人)(日本人女性でも約0.2% (500人に1人))と言われています。また白人男性なら約8%、黒人男性だと4%程度。日本全体では男性の約300万人、女性の約12万人が赤や緑の混じった特定の範囲の色について差を感じにくいという色覚特性を持っている事になります。この色覚特性がどれほど異常かと言えば、頻度的にみれば、AB型の血液型頻度レベル。AB型は日本人では10%程度ですが、白人なら4%程度だそうですから・・。先天色覚異常などと、なんだか生まれつき大きなハンディキャップを背負ったような病名がAB型と同じ頻度なら、異常という言葉そのものにクレームが入るのもわからないこともない。でも、だから色覚検査が不要かと言えば、それは全く違うと思います。ある色覚特性をもつ人たちが、日常生活においてさほど困っていないからと言って、自分の色覚特性を知る機会を失う事は、後々非常に困る事になる人たちを作る事になる訳で、それは本末転倒では。残念ながら、03年から小学校で行っていた色覚検査は廃止され、任意となっています。 現在でも、自衛隊、警察関係、航空、調理師専門学校などでは、制限がありますし、微妙な色の識別が重要となる職種では、困る事も予想されます。その時まで、放置していていいのでしょうか?異常という言葉が厭で騒ぐ人たちが多ければ、○△色覚特性・・などとネーミングすれば済む事では?
※屈折異常にしても、多くの人が近視化して、屈折異常のない人が殆どいないとすれば、-2Dとか-3Dなどが正常で、±0Dを異常と呼ぶのでしょうか。そんな事をしていたら、益々混乱してしまう。あまり、異常という言葉に拘らなくてもいいと思うのですが。

化粧品は、皮膚のバリアを通過するのが難しく、分子量の大きな美白剤などは深部へ到達させるのにバリアをこわすような界面活性剤のようなものが同時に使用されていると聞きます。点眼薬の場合はどうなのでしょうか。目にもバリアがあるのですか。また、どのようにして、目の中に薬剤が浸透するのですか。それはやはり目には害があるのですか。教えてください。
当然、塩化ベンザルコニウムは時に角膜上皮障害を引き起こしますので、現在では、なるべくその濃度を下げたり、零にする努力がなされています。