第9回『すだちの会』 その2 (467)


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梅雨入り後、最初の雨が降りました。雨が降ると傘をさして菖蒲園へ向かいます。雨に打たれた花菖蒲は美しい・・

特別講演Ⅰ 日常診療としての糖尿病網膜症 済生会泉尾病院 眼科医長 宮代美樹先生

本当に御苦労さまでした。
日常診療の中で、糖尿病網膜症をどうとらえ、どう対処するのか。知識の整理になりましたよ。

1、糖尿病の管理は厳格に行えば、糖尿病網膜症リスクを下げる事が出来る。
2、網膜光凝固の有用性、方法、タイミング・・。
 PRPスピード:1カ月に1回(ゆっくり)、2-3週に1 回(標準)、1週に1回(急速)、1回で1000発以上(超急速)
 タイミング:BSコントロールは安定してから。ただ、待てない事もある?ME あれば局所凝固してから。PDRはBSコントロールゆっくりしないと、むしろ悪化する。
3、硝子体手術適応、SOの使い方。
 SO:消極的使用じゃなく、入れておいて視認性を確保しておいて、網膜光凝固いれるとか、VEGFの拡散をブロックするとか、積極的使用方法ありと・・
4、薬物治療:TA(テノン嚢下へ20mg or 硝子体に4mg)、アバスチン・・
※真っ当な医療を続けておられるようで、安心しました。今後も活躍を期待します。miyaan・・・

特別講演Ⅱ 角膜手術の未来 阪大眼科教授 西田幸二 先生

徐々に、私も年をとり、トリの講演でさえ年下となりつつあります・・・。
どこかで聴いたような内容。復習のつもりで・・

①角膜上皮
主としてPOVに幹細胞があるらしい。ここが疲弊すると移植が必要になる。
眼類天疱瘡(OCP):ドライアイ・慢性結膜炎・浅い結膜嚢・パンヌス・・そして遷延性上皮欠損(要注意)⇒硬度の瘢痕化
⇒羊膜移植・輪部移植へ。ただ、SJSもOCPも成績悪い。従来のアロ移植では透明治癒43%程度。これは瘢痕期でも瘢痕結膜の下には炎症細胞浸潤があり、成績悪いのはこのため。
⇒再生医療:他眼の輪部細胞、或いは口腔粘膜上皮細胞を培養して、培養上皮シートを作成し、これを移植することで、透明治癒率93%に。アロ移植の倍以上の好成績・・。

②角膜実質
分類:①瘢痕性混濁、②沈着性混濁、③浸潤性混濁
①②は炎症なし、③は炎症あり(浮腫・毛様充血伴う)。

術式名称(↓)は、もう何度聞いても覚えられません。どんどん新しい術式が登場しては消えていきます・・。角膜の上皮から内皮まで、その事情に応じた手術手技が選択されるようです。
レーザー治療
* PTK :Phototherapeutic Keratectomy
パーツ移植
* ALTK:automated lamellar therapeutic keratoplasty
* LKP :anterior lamellar keratoplasty
* DLKP:deep lamellar keratoplasty
* DALK:deep anterior lamellar keratoplasty

 内皮に問題なく、上皮・実質混濁の場合(格子状角膜ジストロフィー、アルカリバーンなど)、DALKの適応。トレパンで角膜上皮・実質を切除して、内皮+実質少し残す。hookで、残りの実質をひっかけてデスメを露出できたら、ヒーロンVを注入して剥離。そこにデスメを剥がしたドナー角膜を縫合。この方法は、big bubble法やdouble bubble法などより安全?

③角膜内皮
 水庖性角膜症がその対象。原因は従来は白内障術後だったが、今はレーザー虹彩切開術後、内皮炎、そしてフックス。レーザー虹彩切開術後の水庖性角膜症については、何度も書いてますが、本当に多いのかどうなのか不明なまま。ただ、角膜専門医がLaser iridotomy後の眼が多いと感じているのは事実。フックスは、日本では稀と言われいてるが、そうでもない? Fuchs endothelial corneal dystrophy (FECD)で見られるpathological posterior collagenous layer (PCL) は、異常内皮が分泌したもので、要するに内皮細胞は死にかけの状態にあるらしい。このFECDにはearly onsetの2型とlate onsetの1型がり、日本では1型のみ?PCVは、遺伝性なく片眼に見られるもので、一般臨床においても時々みかけますが、遺伝性・両眼に見られるのはPPCD(posterior polymorphous corneal dystrophy )。重症例はBKに。そして内皮炎。当初HSV、VZVが原因とされたが、どうもCMV一番多いらしい。 
 手術は、かつては全層角膜移植術(PKP)を行っていましたが、現在では、DSAEK:descemet’s stripping automated endothelial keratoplastyが主流。乱視が少なく、良好な視力回復が可能になった。ただ、水庖性角膜症になって1年以上経過したりすると、 collagenが乱れて視力が出にくい・・。するなら早期がお勧め。様々な工夫がなされて、より内皮減少の少ない、合併症の少ない術式に洗練されつつある。もともと鑷子でつまんで内皮挿入していたのが、Busin glideを使うようになり、将来的にはインジェクターになる?この術式の問題は、少々ヤヤコシイので、慣れるのに時間がかかりそうなのと、PKPのようにだらだら内皮減少は起きないが、最初にどっと減少する。そこを如何に少なくするかが問題のようです。

 このビデオは講演と関係ありませんが、将来は、このようなIOLのインジェクターのようなもので挿入するようになるのでしょう・・・。


 最後に、近未来の話。私はレーシックの勉強で知ったのですが、フェムトセカンドレーザー。これを使えばトレパンなんか使用しないで、自由なデザインで角膜がカットできる。ドナーもホストもこれでカットしておけば、嵌めこむだけの手術になる?前眼部OCTでナビゲーションされた手術ロボットがFSレーザーを駆使しながら手術未来はすぐそこ?



 
by takeuchi-ganka | 2010-06-14 08:29 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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