アイメイキング・グラス? (480)

 8月6日のブログで、コンタクトレンズ装用者と化粧の問題を扱いましたが、この時は、化粧品やクレンジングがコンタクトレンズや眼表面に与える影響がテーマでしたが、この問題とは全く別に、以前から化粧について考えていることがあります。化粧、特にアイメイクというのは、非常に細かな近見作業と言えます(若い患者さんを見ていての感想ですが・・・)。また、鏡の前で、頑張っている妻や娘をみると、その距離30cm弱でしょうか?特にアイシャドーやアイラインとなれば更に近づくかもしれません。
アイメイクを20~30cmの近見作業とすれば、3-5Dの調節力が必要となります。30代半ばまでは、十分な調節力があるので、よほど遠視の強い人以外は、20-30cm視力に問題はなく、アイシャドーもアイラインも自由自在?問題は、40歳代以降にやってきます。

アイメイキング・グラス? (480)_f0088231_16113338.jpg


ここで『調節域』という言葉を説明します。この図は、屈折異常のない場合ですが、年令毎に、調節して焦点を合わせることのできる範囲を示しています。加齢に伴いどんどん狭くなっています。遠くに関しては、屈折異常がないので、年令に関係なく遠くまで見え、20~30歳は、無限遠から眼前10cmでもストレスなく焦点を合わすことが可能ですが、近くは年令が上がるに従って見えにくくなります。つまり加齢と共に近点が遠ざかり、30cm以上になれば、読書が困難となり、リーディング・グラス(老眼鏡)が必要となります。通常45歳あたりが曲がり角で、不自由を感じるようになります。勿論、近視があって矯正していない場合は、私は老眼じゃないと言われるでしょうが・・・。その話はさておき・・
アイメイクは、読書より更に近い作業な上に、読むだけじゃなく、精密画の作製?なので、より鮮明に対象物(眼瞼)を捉える必要があります。すると曲り角は40歳あたりでしょうか。それ以降、アイメイクが不必要なんてことはなく、一般的には年令が上がれば、より高いレベルの精密画作製が必要となります。ただ現実は、加齢に伴う近見視力の低下と精密画描出能力の低下が相まって、中高年のアイメイクの質の低下を招いている気がしています。
リーディンググラスだけじゃなく、女性の為のアイメイキング・グラス(?)処方の必要性を漠然と感じていましたが、今回は、今まであまり真剣じゃなかったと反省する意味での一文です。このアイメイクのもうひとつの問題は、メガネをかけると化粧ができないこと、単焦点コンタクトレンズなら、中高年の場合遠くにあわせていれば、近くは見えない訳で、化粧の時だけ近くに焦点を合わせたコンタクトレンズを装用するのも一つの方法でしょうが、あまり現実的でない?また、個人的には遠くも近くもチョットボケたような見え方が嫌いですが、遠近両用コンタクトレンズも一つの方法でしょう。また、右眼を化粧する場合、左眼で見ながらでしょうし、左眼の化粧は、右眼で見ながらですから、もし、片眼に矯正視力を大きく損なうような眼疾患があれば、反対眼の化粧は困難となります。また視力がよくても、緑内障や黄斑ジストロフィーなどで中心近くまで視野が欠損している場合も化粧困難と思います。
こんな風にアイメイキング・グラスについて考えてきましたが、シチズンから専用の眼鏡フレームが発売されているようです。若い人は、普通に度数設定してもよし、中高年では、化粧距離(20㎝程度)に度数設定してもよし・・・

参考資料 アイメイキング・グラス
資料1資料2
楽天でも見つけました。 楽天
これはシチズンの製品ですが、これ以外にも同様のフレームは多数あるようです。
by takeuchi-ganka | 2010-08-16 16:16 | 眼鏡 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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