2010年 10月 04日
第21回日本緑内障学会 その4(491)
第21回日本緑内障学会@福岡
一般講演15画像解析1
2-015-1 桜江町スタデイにおける視神経乳頭形状解析
91年のスタデイで撮影された眼底写真を取り込んで、CD、R/D、DM/DDを算定。
2-015-2 視神経乳頭サイズと正常眼圧緑内障
HRTⅡやDM/DD比で乳頭サイズを小・正常・大と分けて検討。乳頭の大きさと緑内障の進行には関係なし。問題は眼圧下降率のみ。
※小さな乳頭には近視が多かった。
2-015-3 GE型乳頭におけるOCT-RNFLTとHRTⅡ乳頭パラメータとの相関
FI、MY、SS、GEとあるが、MYは進行遅い。GEは速い。今回はGEの検討。
GE型乳頭をストラタスとHRTⅡで計測。vC/D比のみRNFLTと高い相関(R:0.8以上)。
2-015-4 SD-OCTとHRT2による視神経乳頭形状解析の緑内障診断能力
PPG、早期緑内障において、同等の診断能力だと・・
※ROC面積(1.0に近いほど理想的な検査)
----------PPG-------------------早期緑内障
----------RA, CA, C/D----------RA, CA, C/D
RTVue 0.90, 0.77, 0.84--------0.95, 0.82, 0.91
HRTⅡ 0.74, 0.94, 0.81--------0.87, 0.94, 0.83
※もともとOCTには乳頭形状解析より別の面での緑内障診断能力に期待しますが、乳頭形状解析だけなら、HRTⅡレベルということ・・
2-015-5 補償光学走査型レーザー検眼鏡を用いた緑内障眼の篩状板孔形状解析 京都大 (座長賞)
眼軸が長いと孔は大きく、緑内障では上下で差があり、進行すると更に・・(見えると言っても、陥凹内のみで、リムがある部分は見えない。)
※かつて、病理組織標本でしか見れなかったものが、AO-SLOで一部見える・・・でも、解像力悪い・・・と岩田先生まだまだお元気。
※器械の進化が早いと、スタデイしている時間がない・・・。時間をかけて立派なスタデイしても、結果として古い機種だから評価が低かったりして・・・
今年の専門医試験の一般問題40番で日本人のAMDで正しいのはどれか二つ選べとあり、a女性に多い b滲出型が多い c前駆病変はPEDが多い。d PDTの治療成績は欧米人と同等 e欧米人よりもPCVの占める割合が多いという選択肢でした。
bとeは明らかに正しく、dは日本人のほうが成績よいかと思います。 cについて調べていて先生のブログに行き当たりました。
日本人でもっとも重要な前駆病変という記載はどういう意味か教えていただけますか?前駆病変としてはドルーゼンが欧米に比べると少ないが一番多いということでcは間違いで正しいでしょうか?日本人ではPEDが多いのでしょうか?
長文ですみません。よろしくお願いいたします。
加齢黄斑変性に関しては、普通の眼科医レベルの知識しか持ち合わせておりませんので、私に質問されるのは、少し的を外れているかと・・・。
前駆病変としては、軟性ドルーゼン(63μm以上)、網膜色素上皮異常:色素脱失・色素沈着・色素むら・小型の漿液性網膜色素上皮剥離が診断基準に挙げられています。中でも、『小型のPEDは日本では最も重要な前駆病変』なのは、前駆病変野中でPEDの頻度が一番多いと言っているのではなく、特に日本人においては、小さなPEDから本格病巣に発展するケースが多いから重要だと理解しています。申しわけありませんが、詳しい数字は、把握していません・・
日本人では小さなPEDからでもAMDに発展するケースが多いという意味だったんですね。すっきりしました。ありがとうございました。