第379回大阪眼科集談会 その1  (503)

明けの明星
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 早いもので、もう12月で、今年最後の集談会がブリーザプラザで行われました。こんな華やかな場所は集談会には似合わない気がします。中小企業会館が懐かしい・・・。今回は、一般演題12と長谷部先生の近視予防の話。長谷部先生の話までに、疲れないようにしないと・・

1、3兄弟全員に網膜剥離が発症した家族性滲出性硝子体網膜症の1家系(大阪医大)
  未熟児でないのに、網膜血管の発育不全があり未熟児網膜症様の眼底所見を呈する事で有名な遺伝性疾患で、網膜血管の走行異常、耳側周辺部網膜血管の異常(吻合・途絶・・)、無血管野形成があり、その程度には様々だが、重症例では鎌状剥離とか牽引乳頭を呈し、視力不良。今回のFEVRは、母と3人兄弟全てが剥離に至った症例。よくある事・・

2、悪性腫瘍患者に発症した結核性網脈絡膜炎の1例(阪大)
  結核性網脈絡膜炎(発表では結核性ぶどう膜炎)の症例。結核の非典型的眼底病変(?)眼底所見の読みがわかりにくかったですが、網膜深層の滲出斑? FA:低蛍光を伴う過蛍光⇒漏出。IA:異常なし?後期に漏出。黄斑部に低蛍光?30歳代に結核の既往あるも、胸部X線:異常なし。ツ反陽性(程度不明)、クウォンティフェロン陽性。以上より結核と判断(というか疑い?)。抗結核治療で改善したので診断確定。その後原発巣不明の低分化癌(転移あり)が見つかる。この為、免疫能が低下して、結核再燃したと判断?
※質疑:滲出性網膜剥離の発生機序:IA低蛍光(脈絡膜に結核)↔FAの過蛍光。一致しているなら、その上の網膜色素上皮が障害されて、網膜剥離に・・。
※後眼部結核病変としては、脈絡膜結核節(多発すれば粟粒結核)、脈絡膜結核腫、網膜血管炎。今回の症例はIA/FAの分析が不明ですが、脈絡膜中大血管やCCから炎症が始まるケース?

3、黄斑円孔網膜剥離に加齢黄斑変性症を合併した1例(総合医療センター)
単に合併しただけ?69歳男性。黄斑円孔の形成に加齢黄斑変性が関与している?僚眼には軟性ドルーゼン多発。手術:黄斑円孔から脈絡膜新生血管抜去。内境界膜剥離。最終的に黄斑部に大きな網脈絡膜萎縮が・・。組織は、PCVではなく、Ⅰ型新生血管、fibrovascular PED(T教授)。
※やがて、左眼にPED(ノッチの部位がRAPらしい・・。CMEもあったようで)視力1.0⇒0.3.ルセンティス注射開始。
※やはり眼底病変のFA・IAの読み、組織所見の読みは、卓越してますね。T教授。演題1もコメント欲しかった。

4、成因不明の巨大裂孔網膜剥離(阪大)
  巨大裂孔網膜剥離の成因不明とは?20歳男性。外傷もないアトピーもない巨大裂孔。-8.5D程度の近視。眼軸28mm。ほぼ全周360度にわたる裂孔。鋸状側に鍵裂き様の断端。硝子体の液化も進んでいる。手術はPPV+SO。14日目にSO抜去後、網膜前増殖、剥離、再手術。良好な経過。健眼には、外網状層分離(ランドルト環状)。車軸状じゃない。
※Sticklerは否定的(Ⅱ型collagen exon2(-)) 。Wagner検索中。
※FEVR:鋸状側に鍵裂き様の断端なんかがあると怪しいが・・今回は否定的。また、稀にWWPに沿って裂ける症例がある。異常な網膜硝子体癒着。(I教授)
※SOを入れる意味が満たされたら、いつ抜いてもいい・・。今回は網膜がずれると困るので入れた?網膜光凝固が固まったらいつ抜去してもいいらしい。

5、網膜硝子体手術後に不可逆性散瞳を来たした1例(大阪医大)
  33歳女性。RRD。水晶体温存し硝子体手術。眼内光凝固+クライオ。輪状締結術+SF6ガス。術後やや散瞳状態(5.5mm径)。調節は異常なし。対光・近見解離とピロカルピン過敏あり。不可逆性散瞳は、角膜移植以外の様々な手術で生じることが報告されているが、網膜硝子体手術後はあまりない。何故?
⇒術中の網膜光凝固+クライオによる短後毛様神経障害が原因と推定。だったら、何故あまり報告ない?
※通常のクライオと違い、ガス置換後のクライオは過剰になりやすいから?
by takeuchi-ganka | 2010-12-06 15:54 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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