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第379回大阪眼科集談会 その2  (504)

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6、YAGレーザー後嚢切開後急激に血管新生緑内障を発症した糖尿病網膜症の1例(大阪医大)
 既に十分にPRPされていて、糖尿病網膜症の活動性はあまりないと思われる眼。白内障手術(H15)後、後発白内障(H21)。ヤグ後急激に血管新生緑内障。アバスチン投与するも最終的にレクトミーに。
※白内障手術後、後発白内障がでてくるまで、糖尿病網膜症の評価は十分だったのか?PRP後で一見サイレントに見えた糖尿病網膜症だが、きっと(?)虚血状態にあり、VEGFは硝子体内に蓄積していた可能性が大か?

7、白内障術後強膜創からの前房水漏出による低眼圧黄斑症の1例(関西医大滝井)
私も、演者と一緒にUBM検査を担当しましたが、白内障の術創が、あたかも良く機能しているレクトミー後のブレブのような所見で、その昔、iridencleisis(虹彩嵌置術)と呼ばれる濾過手術がありましたが、偶発的にそうなってしまったようなケース。前医で、治療用CL、TA注射(?)、自己血注射・・・など色々行われたようですが、全てほぼ無効。虹彩嵌置の効果はかなり強力なようです。
※Holth S. Iridencleisis antiglaucomatosa. Ann Oculist, 1908;137:345-75.

8、ぶどう膜炎専門外来を受診した患者における眼圧上昇の頻度とその治療の検討(大阪厚生年金)
確かにぶどう膜炎の中には眼圧上昇を来たす症例が多い(4割)でしょうし、中には(その1割)手術に至ることもあるでしょう。ただ、緑内障治療というか、眼圧下降治療の適応は、原発の緑内障とは全く異なる訳で、無治療が多いのは健全では・・。それに一応PG剤点眼は控えるでしょうから、cosopt(β遮断剤+CAI)は都合のいい薬剤で頻度が多いのも首肯。GONのないぶどう膜炎なら、眼圧が21を少し越えたからといって点眼治療する根拠なんかないだし・・それにしても、イマドキの医者は、ノリの軽い奴が多いなあ・・・。
Epidemiological survey of intraocular inflammation in Japan. Goto H, Mochizuki M, Yamaki K, Kotake S, Usui M, Ohno S. Jpn J Ophthalmol. 2007 Jan-Feb;51(1):41-4.
⇒ sarcoidosis (13.3%)、VKH (6.7%)、Behçet (6.2%),細菌性眼内炎(3.8%)、ヘルペス虹彩炎 (3.6%)、DM虹彩炎 (1.6%)、HLA-B27 uveitis (1.5%), ARN (1.3%), トキソプラズマ (1.1%), トキソカーラ (1.1%), HAU (1.1%),

9、ツインベルベベルトーリック・ハードコンタクトレンズを用いたペルーシド角膜変性症の視能矯正(友紘会病院)
ベベルがトーリックになっているサンコンのHCL(BT-HCL)。強度の角膜乱視に最適らしい・・。トーリック差は、0.3~0.5mmの幅がある。円錐角膜ぐらいになると、適応外なのかもしれませんが、類似疾患のpellucid角膜変性(20~50歳)に対して処方。倒乱視成分大きい。BT-HCL装用し、視力も改善、角膜との接触面積拡大、装用感改善、装用時間延長。QOL向上。
処方例:780/-1.0/9.3/トーリック差(0.3~0.5mm)
http://www.sun-con.com/products/TBBT/index.htm
※いつまでもお元気な友人K氏のお父様。恐るべき若さ・・・。不同視があったので、両眼視機能を調べるべきだと・・

10、全層角膜移植術、角膜内皮移植術(DSAEK)を施行した緑膿菌性角膜潰瘍の1例(近大)
一般に、緑膿菌角膜感染は、不適切なレンズケアによる、CLケース内汚染が原因(アカントと同様)。輪状膿瘍・潰瘍・スリガラス状混濁。NQ、AG点眼が有効。
症例28歳男性。1カ月交換SCL。角膜潰瘍、既に手動弁。治療するも(モダシン点滴・クラビット・ベストロン・オフサロン・トブラシン毎時点眼、タリビッド眼軟膏)、穿孔寸前に⇒PKP⇒視力改善したが、2カ月後拒絶反応⇒DSAEK(拒絶反応リスクの少ないと判断し)⇒数週間後、やはり拒絶反応、そして移植片混濁・・
※2度目の拒絶反応は、内皮移植に対する拒絶反応?
※3度目、手術するなら、やはりDSAEK?

11、当院における腱膜性眼瞼下垂手術について(佐々木)

12、術前の近見立体視が不良であった間欠性外斜視の術後両眼視機能(近大)
通常立体視良好だが、今回は近見立体視不良であった症例。16歳未満(平均8.1歳)。138例。TNOステレオテストで、約39%で改善。不変群と差はない?
※湖崎先生:間欠性外斜視は、遠見がtropiaで、近見がphoriaが典型。この近見の立体視がある内に手術すべき?近見のステレオに問題が出てきた時が手術タイミングでは?⇒戻りがあるので、なるべく遅く・・・ただ、立体視が落ちてくると早めに・・・
by takeuchi-ganka | 2010-12-09 07:54 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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