ムチン (508)

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新製品が出るから注目されている訳じゃなく、注目されているから新製品が出たのでしょうが、眼表面のムチンに関する話をしばしば耳にするようになりました。かつては、涙液は三層構造をしていて、油層・水層・ムチン層と3つあり・・・と説明され、その中でムチンという言葉を聞く程度でした。ところが、今では、膜型ムチンといって、角膜上皮細胞の微絨毛上に存在するものと、水層の中に存在する分泌型ムチンの2種類(後者は分子量の大きなゲル形成ムチンと非常に小さな分子量の可溶性ムチンとがあるらしい・・・)があるようです。
  この分泌型ムチンは陰性に荷電し、涙液全体に広がって涙液を保持している。このムチンが減少すれば、涙液は不安定となり、BUTは短縮する。更に角膜・結膜の上皮障害があれば、膜型ムチンも減少し、更にBUTは短縮し、上皮障害を悪化させるという悪循環を形成する。
  涙液の安定性を示す指標がBUTで、その安定性を決める要素は、角膜表面の状態と涙液量。涙液量がそれほど減少していないのに、BUTが短縮している場合、角膜表面の涙液保持力や濡れ性の低下していて、その原因がムチン減少と推定されています。じゃあ何故ムチンが減少しているのか。
※ムチン減少の原因:アレルギー、炎症、ストレス?
Toda I, Shimazaki J, Tsubota K. Dry eye with only decreased tear break-up time is sometimes associated with allergic conjunctivitis. Ophthalmology. 1995 Feb;102(2):302-9. 
少し古いですが、この論文によれば、BUT短縮型ドライアイは、アレルギー性結膜炎と関係している可能性があり、杯細胞の密度も減少している。また、アレルギー性結膜炎動物モデルでも杯細胞密度は減少している。どうやら、アレルギー性結膜炎は、BUT短縮型ドライの原因のひとつに違いない・・。当然、アレルギー性結膜炎のないタイプも多いでしょうが。
この角結膜上皮障害は少ないが、愁訴が強いBUT短縮型ドライアイの主原因が、予想通りムチン減少であれば、P2Y receptor agonist点眼ジクアスの効果の程が楽しみです。
by takeuchi-ganka | 2011-01-07 19:46 | めぐすり | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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