ルミガン1周年記念講演会 その2 (513)

2、緑内障晩期合併症術後管理~濾過胞長期維持のこつ 

いったん手を染めると途中で手をひくわけには行かないのが濾過手術。濾過手術以外で対応できるなら、なるべくそうすべきでしょうが、大きな病院で長期間緑内障をしていると、避けて通れない事も多い筈。本当に御苦労さまです。
長期にわたって濾過胞を維持する為のこつとは・・・。多分、昔からそう大きな変わりはないような気がしますが。ブレブが消失しそうになれば、その原因を見極めた上で、濾過胞の再建が必要。線維柱帯切除部位の閉鎖なのか、強膜弁の癒着なのか、濾過胞周囲結膜の線維化なのか・・・(このあたりは、UBMがあれば比較的推定は容易だと思います・・)。また、濾過胞が限局化し薄くなって丈が高くなり漏出してきた場合、感染した場合も対策が必要となります。

1、手術のタイミング
最大耐容薬物治療にも関わらず目標設定眼圧が達成できない場合?このままなら、失明するから、それを回避すべく手術をする。と言っても、高眼圧による視機能低下を止める為に、眼圧を低くしているだけ。勿論眼の状態(緑内障のタイプ、病期、それ以外の眼疾患の合併)や術者の技量によってそのタイミングは変わるでしょうが・・

手術の選択
①濾過手術:トレベクレクトミー(ある程度の合併症を覚悟の上、大幅な眼圧下降を目指す・・)
②流出路手術:トラベクロトミー(視機能を損なうことなく、正常眼圧に戻す。但し、十分な眼圧下降が得られない可能性あり。)
③房水産生抑制:毛様体破壊術(どんな眼にも施行可能だが、手術の効果の予測性が低い。失明することもある?)

2、濾過胞
輪部結膜切開、二重強膜弁、テノンの処理(これがポイント?)
※テノンがないと、非常に薄い濾過胞が形成されて危険なので、濾過胞がテノン下に形成されるように処理が重要だと・・

3、晩期濾過胞
1、後方へ広がる(限局化していない)あまり薄くない、良く機能する濾過胞
2、濾過胞の機能が低下し、平坦になり消失する場合
3、丈が高くなり、薄く・虚血性になり、漏出、overhangingする場合

 ※講演とは無関係の濾過胞のUBM画像
①機能している濾過胞 ②消失した濾過胞 ③encapsulated bleb

f0088231_143484.jpgf0088231_1443824.jpg
f0088231_1452585.jpg


4、濾過胞維持の原則
濾過胞の経過パターン
①window閉塞/弁癒着⇒平坦
対策:マッサージしたときの眼球の反応を見る事が大切。
②限局化⇒encapsulated⇒thin/ischemic⇒leak/infection
対策:マッサージ危険、ニードリング

5、濾過胞長期維持の為に
・眼球マッサージが重要。押せば、濾過ルートを通って水が出ようとする。線維性増殖による閉塞と戦う。
・ニードリング: 濾過胞再建/漏出対策(内圧分散・減少)
・最終手段は、濾過胞再建術
Commented by がたっち at 2011-01-29 11:00 x
 私は37歳(男)で、ポスナーシュロスマン症候群で20年くらいになります。発作が頻繁昨年より視野検査で異常値も見られるようになり、手術も選択肢として考えなければならなくなってきてしまいました。
 そこでポスナーの手術については情報が少ないのが悩みです。私の知りうるものでは体験談3名で、いずれも薬では眼圧上昇を抑えられない状態になり行ったもので、2名はロトミーを行い短期的には良好(その後は不明)、もう1名は最初にロトミーを行いしばらく良好だったものの再び再発がひどくなり、9年後にレクトミーをした結果視力を失い回復しない状態となってしまったというものでした。またシンガポールのデータで、ポスナー発作を繰り返したあげくに緑内障になった9例(17%)に濾過手術を施行したが、平均観察37か月の術後観察で4眼は発作を繰り返した、というものがあります。
 自分の年齢とこの先の生活を考えると非常に不安です。手術の情報、術式、術後の予後についての情報をご存じであれば、またアドバイスなどありましたらぜひご教示いただきたいと思います。
Commented by takeuchi-ganka at 2011-01-29 12:45
答えはひとつではないと思いますが、眼圧上昇発作が頻回におよび、慢性的な眼圧上昇をきたすようになり、視神経にダメージが現れて、更に視野障害までいたるケースがそれほど多くはないとは思いますが、そこまで進行すれば、何らかの手術を行って眼圧を下げなければ、さらに深刻な視神経障害が発生する可能性があります。続発開放隅角緑内障ですから、原則はレクトミーでしょうが、ロトミーの選択肢もあると思います。ネットで情報検索しても、患者さんにとって有益な情報はあまりなく、あっても混乱するばかりではないでしょうか。緑内障の専門医に実際に診てもらって判断してもらうのが一番だと思います。治療方針というのは、本当にケースバイケースでして、一般論はあまり意味がないような気がします。
by takeuchi-ganka | 2011-01-28 14:18 | 学会報告 | Comments(2)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30