抗癌剤による角膜上皮障害に注意 (555)

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 抗癌剤の内服:TS-1が、長期間継続していると、角膜上皮障害を引き起こす症例があったが、ティーエスワンはこの5-FUのプロドラッグであるテガフール(FT)に2つのモジュレーター、ギメラシル(CDHP)とオテラシルカリウム(Oxo)を配合したもの。眼科医には理解困難ですが・・・。FTは、5FUのプロドラックで、肝臓で代謝されて5FUとなるが、5FUを代謝するジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)を選択的に阻害(可逆的)するギメラシル(CDHP)を投与することで、5FU濃度を高めている。(また、オテラシルカリウム(Oxo)同時に消化管組織に分布しているオロテートホスホリボシルトランスフェラーゼ(OPRT)を選択的に阻害し、5-FUからFUMPへの生成を抑制し て、消化管障害を軽減しているらしい・・。) 全身的な副作用が強くなく(?)、長期に継続可能な事が原因なのか、時々、この内服が原因と思われる角膜上皮障害の患者さんに遭遇します。
 先日、患者さんに内服していると見せられたのは、ユーエフティ/ユーゼル?聞いたことない・・。調べると、ユーエフティは、FTの効果を更に高める為に、FTとウラシルを1:4の割合で配合された薬剤で、FTが肝臓で代謝されて5FUとなり活性化された後に、肝臓や癌組織でDPDという異化代謝酵素で不活化されるのをウラシルが拮抗する形で、5FU濃度を高く維持するらしい。また、5FU+TS+活性葉酸の形でDNA合成を阻害しているが、この複合体に必要な葉酸を供給するのがユーゼル。要するにまたもや、5FU濃度を高め、時に涙を介して、角膜上皮障害を引き起こす有力候補が追加されたようです。
http://med.taiho.co.jp/uft_uzel/index.html
by takeuchi-ganka | 2011-08-31 15:20 | その他 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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