フェイキックIOLとレーザー虹彩切開術 (556)

フェイキックIOLとレーザー虹彩切開術  (556)_f0088231_10372781.jpg 個人的には、屈折矯正手術はあまり好きではありません。この手の手術には、十分な安全性が確立されてから臨床応用しているというより、私には、『多分大丈夫だから、不便でしょうから、よく見えるようになりますから、簡単だから、手術しましょう・・・』という軽いノリを感じます(勿論印象ですよ・・)。RKから始まり、PRK、レーシック、そしてフェイキックIOL。いつの時代も大丈夫・安心・安全です・・・・と、まるで、3.11以降のTEPCOや枝野氏のような事を言っていたような気がします。でも実は、放射性物質は大量に飛散していました。かつてのRKやPRK、初期のレーシックの術後は大丈夫なのでしょうか・・。
 そしてフェイキックIOL。これは少し違和感を感じます。ただの近視眼にIOLを入れるのです。しかも、水晶体は残したままで。IOLを入れる場所は、隅角、虹彩、毛様溝と3箇所。白内障手術に使用するIOLが普及する前に、隅角や虹彩支持のIOLがありましたが、合併症の為に殆ど使われなくなり、現在は水晶体嚢内に固定するタイプのIOLのみです。じゃあ、フェイキックIOLはそんなに安全なのでしょうか。隅角支持型の角膜内皮に対する影響は軽微なのでしょうか。虹彩支持型の安定性は?UGHの危険性は?しかも白内障手術と比べ、フェイキックIOLの対象年令は遥かに若く、挿入後50年以上の長期安定性が望まれます。勿論、治験が行われ、安全性が証明され、厚労省が認可したので多分大丈夫なのでしょう。
 少し気になるのは毛様溝固定のIOLです。このIOLは毛様溝で固定されて、少し前方に隆起して、IOLと水晶体前面の間にVault量と呼ばれるスペースが必要になるようです。毛様体径(毛様溝-毛様溝距離)>IOLの長径だと、IOLは安定せず、Vault量も確保できず、時に水晶体と接触する可能性がありそうで、毛様体径  PAC眼にレーザー虹彩切開術(以後LI)する事が、水庖性角膜症という頻度不明の合併症の為に、適応が狭められ、レーザー虹彩切開術の敷居がずいぶん高くなってしまいました。何でも白内障手術をすればいいという人がいますが、PAC眼でも透明に近い水晶体は多く、結局はLIされないままのPAC眼が放置され、高齢者の緑内障発作が多発しないことを祈りますが・・。そんなLIをめぐる環境の変化があって、患者さんの経過観察が苦しい状況にある一方で、フェイキックIOL挿入前にLIを2箇所やるらしい。これってあり?LI後の内皮減少を言うなら、高齢者より、より長期に経過観察が必要な若い人の方が怖いのでは?
 日本人(黄色人種)特有の合併症なのかもしれませんが、私は、隅角鏡をあてると、狭い隅角があり、加えて虹彩の膨隆が強く、スリット光を暗くすると、隅角が閉塞しそうになるほど狭い隅角眼でさえ、更には数カ所にPASが発生しつつある眼でさえ、LIするかどうか悩んでいます。高齢者に行う場合でさえ、LI後の水庖性角膜症という悪魔に怯えるからです。フェイキックIOLは安全なのでしょうか・・・
by takeuchi-ganka | 2011-09-04 10:39 | その他 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31