NEW POST

第385回大阪眼科集談会 その1 (581)

第385回大阪眼科集談会 その1 (581)_f0088231_1645942.jpg


色々ありすぎた今年ももうすぐ終わろうとしています。この日の夜は様々な忘年会があるのですが、全てパスして、可愛い後輩と赤酢を使った日本伝統料理の店へ行く事に・・・。その前に、今年最後の集談会、しっかり勉強しなければ・・・
第385回 大阪眼科集談会@ブリーゼプラザ・小ホール
平成23年12月10日(土)14:00~17:00

1 角膜潰瘍が広範にわたった両眼性Mooren潰瘍の重症例 (大阪大)
59歳女性。両眼のMooren潰瘍。右眼は角膜中央部も浮腫混濁・上皮も欠損。ステロイドとシクロスポリン内服。右眼の白濁した角膜は改善したが、左眼が穿孔したので、表層角膜移植術+ブラウン手術。両眼とも改善したのだが、免疫抑制剤はいつまで続けるのでしょう・・。答え無し?
※Brown手術は、結膜切除。

2 免疫抑制剤大量静注療法が奏効した肥厚性硬膜炎の視神経障害の1例 (関西医大滝井病院)
71歳女性。眼窩深部痛を伴う左眼視力低下。複雑な既往歴・・。糖尿病と顔面神経麻痺、抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性の顕微鏡的多発血管炎があり、PIONと診断?ステロイドのパルスを行ったが無効・・というか、有効だったかもしれないが少なくとも視力改善が得られず、ガドリニウム造影MRI行い肥厚性硬膜炎の診断を得て、CPA大量投与後、視力改善が得られた。通常、ステロイドは無効ではない筈・・

3 斜視手術既往眼に発症した裂孔原性網膜剥離に対してインプラント法を施行した1例 (大阪医大)
16歳男児。母がRD,祖父がpigmentosaと遺伝性要因の強い、周辺部に広い無血管野をもったFEVR類似の眼底所見を有する両眼のRRD。この為ビトも困難でバックリング手術へ。以前外転筋の後転をしていて、バックルを置くべき場所が外直筋肉の付着部と重なっていたので、非常に強膜の薄い部位で、難しいが、インプラントで行った。

4 涙管チューブに対するアレルギーが原因と思われた術後炎症性肉芽腫の2例 (大阪医大)
NSチューブやPFチューブを入れても涙道内に肉芽形成をみて、再閉塞を来す症例の報告。Ⅳ型アレルギーらしい。

5 両眼性後天網膜分離症の網膜外層裂孔に光凝固を行った1例 (関西医大枚方病院)
後天性の網膜分離症。周辺部の嚢胞様変性から徐々に発生する。その多くは(87%)あまり進行しないが、中には進行するものもある。今回外層裂孔があったので、網膜光凝固行った。何故分離が減少したのかは不明だが・・。ひょっとして、外層にも小さな孔があったりして・・

6 極小切開白内障手術後の内部乱視についての検討 (住友病院)
徐々に切開が小さくなっていくと、殆ど惹起乱視は無視出来るほど小さくなるのに、全乱視(オートレフ値)-角膜(前面)乱視(ケラト値)の差:内部乱視は無視できない事があるようです。この差の大部分は角膜後面乱視。

7 裂孔原性網膜剥離に対し意図的裂孔や液体perfluorocarbonを利用せずに行った23G硝子体手術成績 (大阪市大)
必ずしも、意図的裂孔作らず、パーフルオロカーボンを使用しなくても、また、徹底した網膜下液を行わなくても、RRDに対する23Gの硝子体手術成績は良好であると・・。勿論、巨大裂孔・PVR・外傷性などは別。

8 極早期、早期緑内障患者における機能選択的視野検査と黄斑部GCC厚との対応について (近畿大)
SWAP/FDT/HEP/フリッカーなど様々な機能選択的視野検査を駆使されていますが、早期緑内障の場合は、SAPと差がないが、極早期では特にFDTやフリッカーで異常検出可能らしいです。

9 超音波水晶体再建術後に角膜浮腫の改善を認めた水庖性角膜症の4例 (大阪大)
水庖性角膜症に対して、DSAEK予定の患者さんにまずPEA+IOL行うと、角膜厚が術前663μmから6ヶ月後553と一時的に角膜厚薄くなり、浮腫が改善する。最終的には627まで戻っていたが、中には、当面DSAEKせずに経過観察できる症例が32眼中4眼あったと。何故角膜浮腫が改善したかは、推測の域をでないが、正常内皮がスライドしてきて、内皮機能が改善した。前房環境改善した??

10 陳旧性外傷性黄斑円孔眼に合併した黄斑円孔網膜剥離の1例 (大阪医大)
17歳の時に野球のボールが当たって、外傷性黄斑円孔。視力も不良。40年後に黄斑円孔網膜剥離。まあ稀にはこんな事もある。円孔付近に強い網膜硝子体癒着があり、硝子体の変性に伴い牽引が強くなった為?

11眼内レンズ毛様溝縫着術における強膜通糸部位の検討 (大阪厚生年金病院)__
通糸部位は、毛様溝が望ましい。そこにぴったり糸を通す為に、虹彩を水平だと、輪部から2.37mm、垂直だと0.41mm、そして強膜に68°ほどの角度で1mmの位置だと丁度いい?(内視鏡で確認)。そんな数学的な検討は、個人差の多い眼球になじむのでしょうか・・。

(続く)
by takeuchi-ganka | 2011-12-14 16:09 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31