α2刺激薬新発売(緑内障点眼)  (605)

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この5月にα2刺激薬のブリモニジン点眼液(アイファガン)が発売されます。緑内障点眼は、いった何処まで増え続けるのでしょう?私が大学の緑内障外来に参加した当時は、チモプトールとサンピロだけで戦ってましたが、ここまで増えると、1人ひとりの患者さんに何を選択すれば最適の選択なのか、その判断は難しくなります。自分なりに、チョイスの基準をクリアにするために・・・

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1.プロスタグランジン関連薬
2.β遮断剤
3.炭酸脱水酵素阻害剤
4.α1遮断剤
5.副交感神経刺激薬
6.交感神経刺激薬
7.α2刺激薬


緑内障点眼には、図のように7つもジャンルがあり、非常に多数の点眼液が存在します。かなりひとりよがりの考え方ですが、多岐にわたる点眼のチョイス方法について整理してみました。

1,PG関連薬
ここには、キサラタン・トラバタンズ・ルミガン・タプロス・レスキュラとあり、これに23種類のキサラタンのジェネリックが加わります。ただ、私は、それでも15年以上の使用経験があるキサラタンが基本となっています。それ以外を選択する場合には、それなりに理由がある場合が多く、角膜が弱い人の場合にBACフリーのトラバタンズを、キサラタンの眼圧下降作用が弱い場合にルミガンをチョイスします。全てのプロスト系PGが無効か、ベースライン眼圧が非常に低い場合にレスキュラとか・・。日本のジェネリック点眼は、先発品と全く同一ではない上に、眼内移行に関するデータがなかったりして、あまり信頼できないので(※個人的印象)、使っているのはBACフリーのラタノプロストPF(日点)のみです。BAC濃度が最も高いキサラタンですが、それ以外の副作用が少なく、特にDUESが殆ど見られないのも選択の理由でしょうか。いずれにしても、NTGやPOAGの場合には、PG関連薬がファーストチョイスとなります。

2,β遮断剤
 これは、キサラタンより更に長い使用経験があり、それぞれの点眼の個性は十分理解しているつもりで、最終的に副作用が少なくて、効果が期待できるものとして、手元に残ったのは、ミケランのLAと、リズモンTG、それにα1遮断効果があり神経保護効果を期待できるニプラジロールぐらい。一応、BACフリー用にチモレートPFも常備してますが。

3,炭酸脱水酸素阻害薬(CAI)
 この分野はエイゾプトを使ってますが、印象としては、トルソプトとあまり差は感じません。いずれにしても使用感が悪く、積極的には使いにくい薬ですが、24時間眼圧下降効果が検討され、β遮断剤より夜間眼圧下降が良好と言われており、PG関連薬のパートナーの有力候補です。ただ、私の印象では、眼圧下降効果が十分でない・・。

4,α1遮断薬(デタントール:ブナゾシン)
 これに関しては、他の点眼が使えない場合のみチョイス。

5,副交感神経刺激薬
 これはピロカルピンのみ。若い医師は、この点眼のPACに対する役割をもっと知るべきだと思います。以前、急病診療所に出務していた時に、急性PACの患者さんが一滴もピロカルピン点眼されずに送られてきた事があって驚いた事があります。『1滴入れるだけで、全く違うのに・・・何故?』 縮瞳するので、継続的使用は難しいでしょうが、緊急回避的使用は非常に有用で、手術ができない場合のPACの強力な薬物治療薬としてのポジションなど、他の点眼で代用できません。

6,交感神経刺激薬
 これには、古くはエピスタ、現在でもジピベフリンがあります。エピネフリンのプロドラックですが、それでも散瞳すること、点眼後充血することなどが嫌で使うのは止めてしまいました。

7,α2刺激薬(アイファガン:0.1%ブリモニジン)
 そして、この5月、更に一つ緑内障点眼が加わります。これが加わったとしても、ファーストチョイスはPG関連薬で、問題は、そのパートナーとして、β遮断剤?CAI?、それともこのα2刺激薬?
1 眼圧下降作用:β遮断より少し弱い(非劣性だが)。CAIより少し強い?
2 全身的副作用は少ないらしい。
3 差し心地いいらしい。
4 BACフリー(防腐剤は亜塩素酸ナトリウム)
5 LoGTSで視野維持効果確認(でもこれは0.2%ブリモニジン)
などと、言われており、欧米では実績もあり、それなりに期待してもいいようです。また、β遮断剤とは相加効果も期待できるようなので(コンビガンはチモロールとの配合剤:日本未発売)、PGの配合剤で不十分な場合の追加薬とか、PGが使えない場合のβ遮断剤のパートナーとしてあり?
A randomized trial of brimonidine versus timolol in preserving visual function: results from the Low-Pressure Glaucoma Treatment Study. Krupin T, Liebmann JM, Greenfield DS, Ritch R, Gardiner S; Low-Pressure Glaucoma Study Group.
Am J Ophthalmol. 2011 Apr;151(4):671-81.

この論文を信じるなら、チモロールよりも視野維持効果あり・・となりますが、アレルギーで脱落者が多く(28.3%)、それを除いてやっと有意差が出たようで、そのため日本発売のアイファガンは、0.2から0.1%へ濃度を半分にしたようです。ただ、『神経保護の報告は多い。網膜(節細胞にも)に受容体あり、点眼で十分な濃度(2nM以上)が網膜に届いていると推定され、メラニンに結合して濃度も維持できそうで、使える。種々のストレス:低酸素、酸化ストレス、グルタミン酸によるRGC細胞死に対する抑制効果も証明されている。(相原先生の講演から)』ようなので、日本に多いNTGが対象の大規模スタデイが行われ、臨床現場での有用性が証明される事を希望します。
Commented by BTW at 2012-07-07 16:41 x
よけいなおせわですが、アイファガンの容器には、お書きになっているブジモニジンでなくブリモニジンと表示されていますね。
緑内障についてもいろいろ詳しく書いていただいているので、ときどき患者として勉強のため読んでいます。私は右目だけがPOAG(初回オペ前の最高眼圧40、なぜか左はまったく正常)で、トラベクレクトミーと観血的濾過胞再建術をあわせて4回受け、(encapsulated blebになってニードリングや再手術、のくりかえし)、最近ははキサラタン・コソプト・ピバレフリンでなんとか23程度に抑えていました。(視野狭窄もいちおう進行が止まっています。) 6月からピバレフリンに代えてアイファガンの処方を受け使い始めたので、これでさらに眼圧が下がってくれれば、と思っています。
今後とも読ませていただきます。よろしくおねがいします。
Commented by takeuchi-ganka at 2012-07-08 17:41
ご指摘ありがとうございました。
Commented by PATNAM at 2016-04-18 17:31 x
古い記事ですが、質問させてください。
この七系統の点眼薬の中で「喘息持ち」には使えないものは
どれなのか教えてください。
Commented by takeuchi-ganka at 2016-04-26 22:14
β遮断剤以外は、問題なく使えると思います。
by takeuchi-ganka | 2012-04-24 15:01 | めぐすり | Comments(4)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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