緑内障との戦い2013 その7(660)

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3)薬物治療を行なって、眼圧下降が10%以下しか下降しない場合
中には、殆ど眼圧下降が確認できないケースもあります。統計学的には、0.5とか1.0mmHg程度は下がっているのかもしれないのですが、臨床現場の印象は、全く下降していない、むしろ上昇していると感じるケースもあるのです。PG製剤の場合は、片眼トライアルや片眼中止トライアルを行い、結果として眼圧下降効果が確認できない薬物は、原則中止します。(もちろん、後日、再度有効性の検討を試みることはありますが・・・)前々回にも触れましたが、エビデンスある治療ができないなら、何もしないかというと、そんな事はありません。
緑内障 眼圧非依存障害因子への挑戦 ネズミ・サル・そしてヒトへ(解説)  日本眼科学会雑誌(0029-0203)115巻3号 Page213-237(2011.03) 
この非常に立派な論文でも、例えばカルシウム拮抗薬ニルバジピン内服や抗緑内障交感神経β遮断薬であるニプラジロールおよびチモロール点眼で、その有効性が推定されています(本当はニプラジロールの有効性を示したかったのでしょうが・・・)。現時点では、保険の問題もあり緑内障にニルバジピンを処方できないので、たまたま高血圧があって治療されている患者さんに対しては、内科医に依頼して、可能であればカルシウム拮抗薬ニルバジピン内服をお願いする事がありますし、眼科医としては、ニプラジロール、ベトプティック、レスキュラ・・・などをチョイスして、視野変化を見守ります。口で言うのは簡単で、実行するのは、非常に難しいですが、-0.2dB/年以上のスピードで悪化しているかどうかがポイント?これ以下、-0.1dB/年ならOK?現実問題として、点眼前後のMDスロープ比較は不可能なので、視野が維持できていれば、有効と信じて使い続ける事になります。
※関連記事 http://takeganka.exblog.jp/16392920/

当然薬物治療が無効なのですから、症例によっては手術が考慮されます。視野が維持できていれば、少々眼圧が高くても、経過観察でいいでしょうが、眼圧が非常に高くて、将来視野悪化が高い確率で予想される場合手術適応で、あまり高くなくても、視野障害程度と眼圧絶対値を睨みつつ判断する事になります。手術と言っても、長期的に見れば、ALTやSLTなどのレーザー治療は信用できないので、流出路手術か濾過手術が必要で、その適応は前述の通り・・・・。
by takeuchi-ganka | 2013-01-20 16:50 | 緑内障 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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