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学術講演会 コンタクトレンズ その2 (668)

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2,コンタクトレンズとアイメイク、カラーコンタクトレンズetc. 月山純子 

1)コンタクトレンズとアイメイクについて
いつも化粧したままの若い患者さんの眼瞼を見る度に思うのですが、業界主導のムーブメントでしょうが、最近のアイメイクは一段と激しさを増している気がします。アイシャドウ、アイライン(リキッド・ペンシル)、マスカラ、更にはアイプチにカラコン・・・化粧落としにはクレンジング(オイル・ジェル)。これらには油性原料が多く、コンタクトレンズ(特にシリコンハイドロゲルコンタクトレンズ:SHCL)は脂質汚れがつきやすい。クレンジングオイルも、SHCLに付着すると、やがて変形して視力低下の原因になるとか・・。アイラインも、中にはマイボーム腺開口部の内側にまで踏み込んでいるケースもあり、マイボーム腺にも悪影響(閉塞)与えるかもしれませんが、コンタクトレンズも汚しやすい。マスカラもSHCLに付着すると取れにくい。
化粧品の付着した手でコンタクトレンズを出し入れすると、汚れやすいので、原則『コンタクトレンズ・ファース』にすべきだと。つまり、コンタクトレンズを装着してから、化粧をして、コンタクトレンズを外してから、クレンジングするべきだと。

2)カラーコンタクトレンズについて
09年11月から高度管理医療機器となったと言っても、実態は何も変わっていない・・・?承認レンズよりも未承認レンズの方がはるかに多く出回っているのでしょうか。未承認レンズの場合は、臨床試験も行われていないので、レンズそのものの安全性に疑問があります。色素は安全なのか、溶出しないのか。色素はサンドイッチされているのか、内側にあって機械的な刺激がないのか・・・・など。また、未承認レンズは、雑貨扱いなので、ユーザーは、正しい使用法もケア方法も知らず、診察も定期検査も受けない可能性が高く、超危険と言わざるをえない。承認レンズには、従来型、頻回交換、ワンデイタイプとあるが、ワンデイタイプをワンデイとして使うなら、安全性は通常レンズと変わらないようです。
 主な障害:巨大乳頭性結膜炎、SPK(びまん性/ドーナツ状)、SEALS(superior epithelial arcuate lesion)、コンタクトレンズ起因性角膜変形 contact lens-induced corneal warpageなど・・。勿論一番怖いのは、感染性角膜炎

※コンタクトレンズユーザー、特に頻回交換タイプとワンデイタイプのソフトコンタクトレンズ、更に顕著なのはカラーコンタクトレンズユーザーでしょうが、値段の最も安い場所を、また処方箋もなく容易に入手できる場所を探して購入し、検査は困ったときだけ・・・というのが常識となっているのでしょうか。少しネットで検索しても、処方箋不要の安価なサイトはいくらでもあります。 
結膜・角膜・涙液分泌などに異常がなく、正しい屈折矯正により、良好な視力が得られるレンズを処方し、定期検査を行い、異常があれば装用を中断し、異常が無ければ装用を継続するという眼科医の常識とは大きくかけ離れています。ここまでかけ離れていると、もう歩み寄りは不可能なのでしょうか。

3)睫毛エクステ
本来美容師であることが条件の筈だが・・・
高い濃度のホルムアルデヒドを含むグルーと呼ばれる接着剤が問題で、角結膜炎、アレルギー性結膜炎、結膜びらん、眼瞼炎などを生じる。
Ocular disorders due to eyelash extensions. Amano Y, Sugimoto Y, Sugita M.
Cornea. 2012 Feb;31(2):121-5.

by takeuchi-ganka | 2013-03-04 16:36 | その他 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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