第8回松下記念病院眼科臨床懇話会 その1 (670)

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※小魚加えて、子供に与えるのかな・・

親しくお付き合いさせて頂いているO部長が代表世話人をされている勉強会に初めて参加してきました。最近、勢いがないパナですが、門真駅を降りると、そこは松下の国。会場となった松心会館も立派な建物でした。この日は、症例検討会と眼形成の特別講演、2時間たっぷり勉強できました。その後の情報交換会も非常に充実していて、コスパ最高の勉強会でありましした(ヨイショ・・)。

まず、最近疎遠になったS天製薬からジクアスの宣伝。VDT作業者の眼精疲労の主な原因は、調節に関連するものでしょうが、VDT作業時間が長くなるほどドライアイが誘発されて、tear filmの不安定さは収差を生み、眼精疲労を助長させるという・・・。風が吹けば桶屋が儲かるよりは説得力があるかな。ドライアイ患者の中でも、ドライアイを伴う眼精疲労患者さんに使ってください・・・?

1、松下病院における病診連携の現状 
20年以上前、医局でたむろしていて、ちょっと質問したら、我々のように軽々に答える事はせず、しっかり調べあげた上で確実な情報のみを返答する・・・・というO先生の態度は、今も何も変わっていない。何時も真摯な態度で診療に取り組まれている事がわかるO部長からの松下病院紹介。とってもいい病院だと思います。京阪守口駅からのアクセスが少し悪い事を除いて、文句ありませぬ。

2、ガンシクロビル硝子体注射が奏功したサイトメガロウイルス網膜炎の1例
59歳女性のAML。化学療法後、骨髄移植に・・。経過中CMV抗体陽性となってホスカルネット投与。網膜炎発症したので、GCV硝子体注射。500μgでは効きが悪いので1000μgにして有効に。計8回注射して、5回目以降改善。一般的には、AIDSなら15-30%発症するが、骨髄移植は2-8%とそんなに多くないらしい。

3、涙腺生検を行ったIgG4関連眼疾患(Mikulicz病)の症例
36歳女性。両眼上眼瞼腫脹(特に右、弾性硬)。シルマーは4/6mm。MRIでは明らかな両側の涙腺の腫脹。血中IgG4も高値(194)。耳下腺も腫脹。顎下腺は正常。経結膜に涙腺を生検して、胚中心を伴うリンパ濾胞、抗IgG4抗体陽性。要するに『IgG4関連Mikulicz病』。治療は患者さんにステロイドに対する恐怖心があり、経過観察のみらしい・・。通常は、プレドニン30mgぐらいから開始。
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IgG4関連Mikulicz病診断基準 (日本シェーグレン症候群研究会)合意 
(1) 涙腺・耳下腺・顎下腺の持続性(3ヶ月以上)、対称性2ペア以上の腫脹を認める。
(2) 血清学的に高IgG4血症(135mg/dl以上)を認める。
(3) 涙腺・唾液腺組織に著明なIgG4陽性形質細胞浸潤(強拡大5視野でIgG4+/IgG+が50%以上)を認める。
⇒(1)と、(2)または(3)を満たすものをIgG4関連Mikulicz病 とする。          
※全身性IgG4関連疾患の部分症であり、多臓器の病変を伴う事も多い。             
※鑑別疾患:Sarcoidosis、Castleman病、Wegener肉芽腫、悪性リンパ腫、癌、その他既知の疾患
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この症例は(1)・(2)・(3)全て満たしている。(1)・(2)を満たしていて、診断確定なら、生検不要かも・・・と感じましたが、腫瘤形成病変なので、やはり必要だと・・。

4、両眼性上斜筋麻痺に対して下直筋水平移動術を行った1例
どうもよくわからない病気の一つ、上斜筋麻痺。これが交通外傷(脳挫傷)で両眼に発生し、回旋に伴う複視を自覚し、QOVが悪い!両眼上斜筋不全(遅動)、BHTT陽性(Bielschowsky 頭位傾斜試験)。特に下方視で回旋が強くなり複視がでる。プリズムでは改善しなかったので、両眼の下直筋の鼻側への水平移動術を行い改善が得られたそうです。
※簡単に診断できるのかと思いきや、患者さんは、回旋に伴う複視が強く、強い訴えがある割に、ぱっと見ただけではわかりにくい。眼底写真で、回旋の程度を提示されていましたが、通常の9方向眼位でも、わかりにくいらしい・・・。強い複視があるのに、所見に乏しい場合、考慮すべき疾患。

5、OCT画像で網膜外層障害を認めたAZOOR complexと思われる1例
AZOOR:何でも発見するGassが、1993年初めて報告したもので、急に網膜の外層が障害される。と言っても、眼底には異常が殆ど見られない。ただ、視野を測ると明らかに欠損している。そのタイプで、マリオット盲点拡大型・中心型・その他の3つに分けられる。多局所ERGをとれば、その視野欠損に相当する網膜のERGの異常が証明される。片眼性で若い人に多く、治らないことが多い。時間が経てば、僅かな網膜の菲薄化があるだけ?
1,AZOOR 急性帯状潜在性網膜外層症
2,MEWDS 多発性一過性白点症候群
3,急性盲点拡大 (acute idiopathic blind spot enlargement)
4,点状脈絡膜内層症 (punctqate inner choroidopathy,PIC)
5,multifocal choroiditis and panuveitis
などは同一スペクトラム上の疾患で、AZOOR complexと称されるらしい。

24歳男性。右眼視力低下(0.5)と光視症(チカチカ・・)。ハンフリーで右マ盲点拡大。眼底は、よく見ると右眼の中心窩の上方に2個、下方に1個白点があり、FAで過蛍光。OCTでIS/OSライン途絶・不明瞭。左眼は眼底所見異常ないが、中心窩下方に帯状(弓状)のIS/OSライン不明瞭エリアあり。治療なしで、視力回復。OCT所見と視野異常が、右眼は一致せず、左眼は一致。右眼がMEWDS/PIC、左眼がAZOORか。
by takeuchi-ganka | 2013-03-17 20:43 | 学会報告 | Comments(0)

大阪市旭区にある竹内眼科医院です。開業医も日々勉強。


by takeuchi-ganka
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